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W杯直前サバイバルをどう過ごす…39歳GK川島永嗣が断言「選手は良い子になる必要はない」

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日本代表GK川島永嗣(ストラスブール)

 自身4度目のワールドカップが目前に迫る中、日本代表GK川島永嗣(ストラスブール)はチーム内競争を歓迎した。「別に良い子になる必要はないと思う」。カタールW杯は事前の準備期間が短いため、このドイツ遠征でチームづくりの総仕上げが求められるものの、本大会メンバー入りに向けた選手たちの闘争心を前向きに受け止めていた。

 2010年の南アフリカ大会は開幕直前の強化試合で正GKの座を奪い、14年のブラジル大会と18年のロシア大会では不動の守護神だった川島にとって、カタールW杯は4度目の夢舞台。最終予選の出場はすでに本大会出場を決めていたベトナム戦(△1-1)の1試合にとどまっており、久しぶりに“追う立場”で佳境の時期を迎えている。

 代表活動のポゼッション練習やシュート練習では緩いプレーがあった際、攻撃陣に対しても厳しい声かけを行う場面がたびたび見られ、雰囲気を締めるためには欠かせない存在。もっとも、ただチームを俯瞰した役割に徹しているわけではない。GKとしても人一倍の気迫で居残り練習までこなし、虎視眈々と出場機会を狙っている。

 個人の競争を取るか、チームの和を取るか——。そんなテーマも浮かんでくる時期だが、川島は「あまりそういうことを考えない」とあっさりかわす。「競争がなければチームはいい方向にいかないし、お互いが刺激しあえるグループでなければいけない。だからといって僕もいい歳なので。客観的に見られる部分もあるので冷静なところは冷静にチームのためにできることをやっていければと思っている」。自然な形で振る舞った結果、いまの立ち位置に至っているようだ。

 また川島は他の選手たちに、さらなるギラギラ感も求める。本大会前はチーム集合から初戦まで10日間程度の準備期間しかないため、「フィジカル的にもそうだし、メンタル的にもチームをいい形で持っていかないといけない。そういう意味での準備はこのキャンプの中で意識してやっていけたら」と今回のドイツ遠征の重要性を強調した川島。それでもなお、サバイバルに臨む闘争心を出すことは大事だ考えているという。

「チームとして完成度を高めることはもちろん大切だと思うし、それは監督が見るところだけど、選手は別にいい子になる必要はないと思う。みんなW杯に行きたいと思うのが当たり前だし、枠は限られている。そういう気持ちのぶつかり合う集団でなければ難しい局面は乗り越えていけない。そういう一人一人の集まりが日本代表でなければいけないんじゃないかと思う」

 中でも「特に若い選手はそういう気持ちでいいんじゃないかと思う」と川島。「自分たちが若い時はそうだったし、それがあっていまの僕らの世代があると思う。(吉田)麻也とかもそうだし、(長友)佑都もそう。どんどん若い選手は出していって、あとは麻也がしっかりまとめてくれればいい(笑)」。今回のメンバー30人中W杯経験者は8人だけ。初の夢舞台に意気込む選手たちの勢いを、そのままチームづくりに活かしていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)

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