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【StatsBomb×ゲキサカ】テクノロジーを使って調べてみた…日本代表選手に似ている欧州5大リーグの選手は?:伊藤洋輝編

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シュツットガルトDF伊藤洋輝

 サッカー界では近年、テクノロジー活用が急速に進行しており、試合中にもさまざまなデータが集められている。走行距離、スプリント数といったJリーグでもおなじみの数値だけでなく、パス成功数、ドリブル成功数、インターセプト数、タックル数などプレー内容に関する数値もいまや当たり前。「ゴール期待値」など価値判断を含んだ指標も続々と編み出され、データをピッチ内のクオリティー向上に活かそうという取り組みがなされている。

 イギリスの『STATSBOMB』もそうしたサッカーに関するデータを扱う企業の一つだ。同社は前述のような基本的な数値に加え、相手へのプレッシャー、位置ごとのプレー成功率、シュートインパクト時のボールの高さなど、3000項目以上の細かいデータを集計。またボールポゼッション時のプレー価値を示す「OBV(On-Ball Value)」という指標を考案し、選手のキャラクターを詳細に数値化している。

 また同社のサービスでは「OBV」を組み込んだレーダーチャートを選手ごとに作成し、似たような特徴の選手を探すことができる「シミラー・プレイヤー(Similar Player)」という機能を搭載。もし、とあるクラブの選手が他クラブに移籍する可能性が出てきた場合、後継者候補を世界中から探し出せるようになっている。

 『ゲキサカ』では『STATSBOMB』社協力のもと、日本代表を支える若手選手たちの「Similar Player」を調査。シリーズ4人目は昨季からブンデスリーガのシュツットガルトで出場機会を掴み、今年6月には森保ジャパンに初招集されたDF伊藤洋輝だ。

 伊藤は昨年夏、ジュビロ磐田からシュツットガルトに期限付き移籍。シーズン序盤にベンチスタートから出場機会を掴むと、3バックの一角でレギュラーに定着し、リーグ戦29試合に出場した。今季からは完全移籍となり、今年6月には日本代表に初選出。カタールW杯へのラストピースとして、国際Aマッチ5試合に出場してきた。

 以下の図は、伊藤のレーダーチャートをブンデスリーガのセンターバック平均と比較したもの。パス成功率や空中戦勝率などの数値ではやや平均を下回ったものの、先ほど紹介した「OBV」をはじめ、「プレッシャーを受けていない状態でのロングボール」「インターセプト指標」でリーグ平均を大幅に上回っていることがわかる。


 さらにこうした伊藤のレーダーチャートの形状を踏まえ、欧州5大リーグから「Similar Player」を検索。するとDFジョニー・エバンス(レスター・シティ)、DFラファエル・チホス(ケルン)、DFロマン・トマ(カーン)に加えて、同じシュツットガルトのDFバルデマール・アントンの名前があがってきた。

 さらにこの機能を使うと、J1・J2でプレーする選手と比較することもできる。プレーレベルが異なることは留意しなければならないが、伊藤に似ている選手としてはDF岩武克弥(横浜FC)、DF沼田圭悟(琉球)、DFエドゥアルド(横浜FM)、DF安部崇士(徳島)が並んでいる。


 次回はMF久保建英(ソシエダ)の「Similar Player」を紹介する。

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