W杯前最後の実戦となる17日の国際親善試合・カナダ戦(ドバイ)で約2か月ぶりに先発復帰する。日本代表の森保一監督は前日会見で「板倉と浅野は明日スタートから出てもらおうと思っている」と、故障明けのDF板倉滉(ボルシアMG)、FW浅野拓磨の先発起用を明言した。

　9月12日に所属クラブでの練習中に左膝内側側副靭帯部分断裂の重傷を負い、長期離脱を余儀なくされた板倉。中断前ラストゲームとなった今月11日のドルトムント戦の後半43分から途中出場し、戦列復帰を果たしたが、先発となれば9月4日のマインツ戦以来となる。

「スタートから試合に出るのは久々なので、(W杯初戦の)ドイツ戦の前にいいテストマッチになる。すごくいい感じで来れているので、カナダ戦をしっかり戦えれば、間違いなくドイツ戦にもいいコンディションで臨めると思う」

　何よりもW杯直前に避けたいのはケガの再発。板倉自身、「明日の試合が終わって、まず体が無事であること」を大前提にしつつ、「90分でもやる」とフル出場も辞さない構えだ。

「膝の内側のケガは初めてで、膝が曲がらなかったり、日常生活に支障が出たり、本当に治るのかなと思った時期もあった。人間の体ってすごいなと思ったし、メディカルチームにも感謝したい。怖さなくできているので、明日が楽しみです」

　報道陣の取材に応じながら笑顔を絶やさなかった板倉の表情からは、順調な回復ぶりと、サッカーを思い切りプレーできている喜びがにじみ出ていた。「サッカーは楽しいですね」。そうしみじみ語った25歳は「ケガでこんなに離れることはなかったし、ここに戻ってこれているのがうれしい。ドイツ戦に向けて上げていきたい」と力強く語った。

(取材・文　西山紘平)

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