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名波・前田コーチ抜擢に森保監督が初言及「攻撃の部分でさらなる積み上げをしてもらえる」

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日本代表森保一監督

 28日から欧州視察に向かう日本代表森保一監督が同日、羽田空港で報道陣の取材に応じ、カタールW杯後のコーチ陣の人選に言及した。日本サッカー協会(JFA)は今月17日、名波浩コーチと前田遼一コーチとの契約が合意に達したと発表。反町康治技術委員長は「森保監督の意向を最優先した形」と説明しており、選考の意図に注目が集まっていた。

 森保監督はこの日、コーチ陣発表後初めて公の場で報道陣の取材に対応。コーチ人選について「われわれがこれまで積み上げてきたことを理解してくれているということと、これからもちろん攻撃だけではないが、攻撃の部分でこれからさらに結果を出すためにブラッシュアップしてくれる、さらなる積み上げをしてもらえると思えるコーチに来てもらった」と説明した。

 日本代表ではカタールW杯後、攻撃面を担当していた横内昭展コーチ(→J2磐田監督)、上野優作コーチ(→J3岐阜監督)がそれぞれ退任。守備面を担っていた齊藤俊秀コーチ、下田崇GKコーチは留任するため、名波コーチと前田コーチは退任した2人が担っていた攻撃面のトレーニングを指揮するという。

 名波コーチは2014年9月から19年6月に磐田の監督、21年6月から昨年11月にかけて松本の監督を務めたが、コーチとしてチームを指導した経験はない。また名波氏とともにプレーした経験を持つ前田氏は21年に磐田U-18コーチ、昨年に同監督を務めたのみでコーチ経験が浅く、いずれも異例と言える人事に至った。

 そうした中での抜擢には、両コーチにも驚きがあったと思われる。それでも森保監督は「最初に話をさせてもらった時にも、日本のために戦いたいという意思は伝わってきた」ときっぱり。「現実的に代表のスタッフでやるかどうかというところで、現在自分が置かれている状況、自分がどういう活動をする予定だったかを整理した上で返事をしてくれた」と経緯を明かしつつ、「気持ちは日本のために戦うということを示してくれた」と太鼓判を押した。

 森保監督は28日から2月13日にかけてフランス、ドイツを視察し、カタールW杯メンバーと面会予定。主に「カタールW杯の振り返り」について選手目線も交えて話し合うという。その間、コーチ陣は日本に残り、3月の代表活動への準備を進めていくことになる。

 森保監督は「まずは新しく入ってくるコーチ陣に継続して仕事をしてもらえるよう、他のコーチからこれまでやってきたこと等々、コーチの役割という観点から伝えてもらいたい。3月に向けてまだ対戦相手は決まっていないけど、コンセプトの資料であったり、われわれがどうやって戦っていくかっていうことの準備、これまでやってきたことの意思共有をして、次にどうやって向かっていくかのすり合わせをしてもらいたい」と役目を託した。

(取材・文 竹内達也)

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