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ビルドアップで新たなトライもMF堂安律「それほど機能していなかった」

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日本代表MF堂安律(フライブルク)

[3.24 キリンチャレンジ杯 日本 1-1 ウルグアイ 国立]

 新たなトライは不発に終わった。日本代表MF堂安律(フライブルク)が新体制初陣のキリンチャレンジカップ・ウルグアイ戦に右サイドハーフで先発出場。右サイドバックのDF菅原由勢(AZ)とのポジショニングで局面の打開を試みたものの、狙いどおりの攻撃を繰り出す場面はほとんど見られなかった。

 ビルドアップの狙いは明らかだった。立ち上がりから菅原が右のインサイドで高い位置を取り、堂安が右の大外にポジショニング。森保一監督は「サイドバックの選手が内側のポジションを取ってビルドアップに関わるということをトレーニングでもやってきたので、この試合でも攻撃の関わりの部分でチャレンジしてほしいと伝えた」といい、第2次体制での新たなトライだった。

 しかし、この取り組みはなかなか実を結ばなかった。堂安が大外でボールを持っても、最終ラインに戻して組み立て直す形が続き、菅原を使える場面はほとんどなし。堂安は「やろうとしていたことはオプションとしてトライしたつもりだけど、見てもらったらわかるように機能したかと言ったらそれほど機能していなかった。相手の守備のハメ方もよかったと思うけど、サイドには入るけど少し孤立してしまった部分があった。そこは課題」と厳しい表情を浮かべた。

 また堂安は試合後、菅原には「どちらかというと後ろでサポートして欲しかった」と反省。「縦パスをフリックするか、バックパスするかしかなかった。サイドチェンジをするにも距離が遠すぎるし、オプションが少なかった」と振り返った。

 前半34分には左サイド起点の攻撃で相手を深く押し込み、堂安が中央に絡みながら大外の菅原が惜しいクロスを上げる場面もあった。堂安は「ロッカーで話していたけど、押し込んで僕らのクオリティが出せればワクワクするようなサッカーが出せるけど、ビルドアップの位置が低かったし、押し込むまでが課題だねと話した」といい、押し込んでからのクオリティーには手応えを感じていた。

 だからこそ、相手を押し込むためのビルドアップが今後のテーマになりそうだ。今回、戦術的なトレーニングができたのは試合前2日間のみで、まだまだ伸び代はある。それでも堂安は「フルで戦術練習はできなかったけど、代表はそういうものだと思う。それで今までの先輩方が戦ってきたので言い訳にはならない。うまくいかなかったことがたくさんあったし、ムダにしてはいけない試合だった」と早急な改善を誓った。

 さらに堂安はカタールW杯で課題として浮かび上がったボール保持の取り組みだけでなく、カタールW杯でベースとなった部分にも言及。「今日はボールは持てたけど位置が低すぎたのが自分たちの課題。W杯ではボールさえ持てなかったので、ボールを持とうとする意識は良かった。主体的にボールを保持してW杯を戦いたいという気持ちはチームとしてあるので、その課題を取り組みつつも、ただベースとしての守備の強度は足りなかったし、切り替えも遅かった。トライすることはあるけど、ベースのところも忘れてはいけない」と慢心を排した。

(取材・文 竹内達也)

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