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待望の“本職起用”イメージした久保建英「僕のトップ下というのは…」

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日本代表MF久保建英(ソシエダ)

 日本代表MF久保建英(ソシエダ)が25日、今合宿で初めて報道陣の取材に応じ、24日に行われたキリンチャレンジカップ・ウルグアイ戦(△1-1)を振り返った。久保は合流時の新型コロナウイルス検査で陰性確認が取れなかったため、同日まで自主隔離を強いられており、チームに帯同せず宿舎で試合の行方を見守っていた。

 ウルグアイ戦では前半にMFフェデリコ・バルベルデのスーパーゴールで失点したが、後半にトップ下で途中出場したFW西村拓真(横浜FM)が同点弾を決めて1-1でドロー。久保は「負けなくてよかった。初陣で負けちゃうと言いたいことがある人もいるだろうし、負けなかったことはポジティブに捉えていいと思う」と前向きに語った。

 試合ではサイドバックが内側にポジションを取り、サイドハーフが大外に張るという新たなビルドアップにもトライ。しかし、この枠組みを活用した攻撃はあまり機能したとは言えず、試合後の選手たちからは新たな取り組みを歓迎する声だけでなく、この日浮き彫りとなった課題感を指摘する声も聞かれた。

 課題の一つは大外に張り出すサイドハーフがなかなか攻撃に出られなかったことだ。この日、報道陣から新システムの課題を問われた久保も「サイドバックが中に入るからといって、ウイングの選手が落ちてきて低い位置でボールを受けてしまったら結局相手にとってあまり脅威にならないかなと見ていて思った」と見解を提示。「せっかくウイングに速い選手とか中に切れ込む選手を置くなら、僕ら前目の選手たちはボールが欲しくて中に入ってきたり、落ちてきたりするけど、我慢して高い位置に張っていたほうがいいのかなと感じた」と振り返った。

 その一方、守備のリスク管理に関する質問には「そのために中にサイドバックが絞っているので問題ないんじゃないんですかね」と回答。「(CB2枚とボランチで)スリーになって中に(左右の)サイドバックがいたら、(ボールを)取られても5枚で戻れる。そこのリスクを恐れて前に張らなかったらむしろどうやって攻めるのという話になるし、サイドバックが中に絞るのはリスク管理も含めて3+2でしっかり守り切るところも想定していると思う」とメリットも語った。

 28日のコロンビア戦では久保もこのトライに加わる形となりそうだが、他の選手とのポジションバランスを考えると、トップ下での出場となる可能性も高い。久保自身もウルグアイ戦でゴールを決めた西村の働きに「ああやって入っていくところも意識していけたら」と刺激を受けつつ、自身の本職と公言してきたトップ下でのイメージをふくらませているようだ。

「縦への推進力を意識したいし、僕のトップ下というのはボールを持って長い距離を運んでいけるところや、そこから散らしたりするところ。最後にどうするかは自分次第だけど、とりあえず間で受けてもっと運んでいくところ。前回の試合(ウルグアイ戦)は中央突破があまりなかったけど、4-2-3-1の強みはトップ下に一人、ある程度自由を与えられた選手がいること。その選手がオンザボールで違いを見せて、一人二人剥がしていくのは僕の理想としている選手像なのでいいチャレンジだと思う」

 またプレー面だけでなく、世代交代が進むチーム内の立場でも存在感を高めていこうとしている。「今までだったら僕が多少わがままなことをしても、優しく見守ってくれる選手がたくさんいたけど、今度はピッチ内外で立ち振る舞いを意識していかないといけないと今回の活動前に思ったりしていた」。不運な形で出遅れる形となった今回の合宿だが、まだ新チームは始まったばかり。「チームにポジティブな風を吹き込んでいきたい」と意気込んでいる。

(取材・文 竹内達也)

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