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「大学も見てもらえている」パリ五輪へ意識新た…法政大MF中川敦瑛「また光毅君と一緒にやりたい」

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1本目の6分にファーストゴールを決めたMF中川敦瑛

 2017年7月にU-15日本代表として中国遠征を行って以来の日の丸だった。「中3以来だったので、嬉しさもあったけど、本当にやれるのかなっていう不安もありながらでした」。そう振り返ったMF中川敦瑛(法政大)だったが、U-22日本代表候補合宿の最終日に行われた紅白戦では1本目の6分にFW鮎川峻(広島)のシュートのこぼれ球から先制点を決めて、一番欲しかった結果を残した。

「常にゴールを意識することは今キャンプでは意識していて、何が何でも点が取りたいと思っていた。インサイドハーフに求められていたのはゴールに向かう動き。1点取れたことは良かったけど、ゴール前の質だったり、動き出しの質を上げていかないと、これから代表やプロに行くのは難しいのかなと思った。キャンプでやったことが出るのは帰ってからだと思うので、チームに帰って違いを見せられるようにしていきたいです」

 とにかく見てもらえていると分かったことが嬉しかった。今回のメンバーは半数以上が大学生という構成。Jリーグ内定選手はもちろん、U-22代表スタッフが視察に訪れていたデンソーカップチャレンジで目立った選手が招集を受けていた。「プロだけじゃなく大学も見てもらえているのが、このキャンプを通じて分かった。どこで見られているか分からないので、より結果にこだわっていきたい」。中川もモチベーションを上げている。

 パリオリンピック代表世代で中心選手として期待されるMF斉藤光毅(スパルタ・ロッテルダム)は、横浜FCアカデミーの一学年先輩。「今では遠くに行ってしまった」と笑うが、いつまでも追いかけていきたい存在だ。「また光毅君と一緒にやりたいですね」。パリ五輪で一緒にピッチに立つ夢を再確認する。

 大学3年生でのJリーグ内定も決して珍しくなくなってきている。中川も動向に注目が集まる選手の一人だが、今春のキャンプなどに参加するクラブはなかったという。「2年生の時に横浜FCの練習試合で一回だけ呼んでもらっただけで、それ以外はないです。でも僕自身波があることも分かっている」。昨年は初ゴールが10月までずれ込んだ。「Jの強化部からしたら取り辛いのかなとも思う」。自覚を十分にして課題克服に取り組む。

 今回の合宿をきっかけに飛躍につなげたいところ。大岩剛監督も「視察に行ったとき、選手がどう変わったかをリサーチしていく」と継続してチェックしていくことを明言した。チャンスはどこに転がっているか分からない。中川も「日頃の積み重ねしか体現できないと思うので、帰ってからもう一度強みを見せられるようにしていきたい。大岩さんにも言われたけど、泥臭くやっていかないといけないのかなと思います」と気を引き締めた。

(取材・文 児玉幸洋)

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