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DF高橋仁胡がU-20W杯のアルゼンチン開催に燃える理由…代替開催の巡り合わせで父の故郷へ

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DF高橋仁胡(バルセロナ)

 U-20日本代表は21日にアルゼンチン・ラプラタで開催されるU-20ワールドカップのグループリーグ初戦に向けて練習を続ける。DF高橋仁胡(バルセロナ)は数奇な巡り合わせから父の母国で世界大会に臨むことになった。「やっぱりうれしかった。お父さんも楽しみにしていて(現地に)来る。家族と会えることも大切」と率直な思いを語った。

 19日の練習は冒頭15分のみの公開で、残り約1時間は非公開で行われた。相手に情報を与えないよう細心の注意を払う姿勢は、チームの真剣さがうかがえる。高橋は仲間の雰囲気について「みんな初戦を楽しみにしている」と明かす。「最初は時差ボケでみんなも疲れとった。だけど、いまのところはコンディションを上げている」とチームの現状を語った。

 15日には大会直前では最後の練習試合としてU-20アルゼンチン代表と対戦し、MF松木玖生が1点を決めたものの、1-2で敗戦した。強豪相手の惜敗だが、高橋は「この試合は勝てたと思う。アルゼンチンはいいライバル」と必要以上のリスペクトは避ける。開催国であり、カタールW杯優勝国でもあり、選手たちが感じ取ったものは多い。一方、高橋にとってはさらに特別な思いを抱く相手でもある。父がアルゼンチン出身なのだ。

 もともとU-20W杯はインドネシア開催だった。しかし、3月末に開催予定だった組み合わせ抽選会で、インドネシア国内では対立感情を抱いていたイスラエルの出場をめぐって反発の声が挙がる。それを受けてインドネシアでの開催は白紙となり、急きょアルゼンチンでの代替開催が決まった。

 日本のグループリーグ初戦・U-20セネガル戦はラプラタで開催される。数奇な巡り合わせから高橋は父の地元でW杯の舞台に立つ。当日は父も含めた数十人が応援に駆け付けるという。

 父の生まれ故郷に初めて足を踏み入れ、感慨をひとしおだ。「早く始まってほしいし、自分もがんばりたい」。世界一の目標を叶える以上に、チームメイトとともにどこまで行けるかに胸を膨らませる。「ちょっとずつみんなで戦って力を合わせて、それで一個一個出して上に行けたら」と仲間の力に信頼を置き、父の母国での活躍を誓った。

(取材・文 石川祐介)
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