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W杯イヤーの締めくくりにブンデス入れ替え戦も…伊藤洋輝「なかなかできる経験ではない」

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日本代表DF伊藤洋輝(シュツットガルト)

 最後は厳しい残留争いを勝ち抜き、自身初のワールドカップイヤーを終えた。日本代表DF伊藤洋輝(シュツットガルト)は合宿初日の12日、報道陣の取材に応じ、「監督が代わる前はなかなか勝つことが難しかったけど、代わってからは選手もそれぞれのポジションでイキイキとプレーするようになったし、安定感が出てきた。あとは若い選手が多かったので若い勢いとで、最終的に残留という目標を達成できて良かった」と振り返った。

 シュツットガルトは昨季、カタールW杯をまたいで2度の監督交代を実施。開幕からブンデスリーガ9試合未勝利が続いた昨年10月にペッレグリーノ・マタラッツォ氏に代わってブルーノ・ラバディア氏が就任し、一時は立て直したかと思われたが、年明けから再び不調に陥り、今年4月にはセバスティアン・ヘーネス監督が着任した。その後は3勝4分1敗の成績で16位フィニッシュ。最後はプレーオフでハンブルガーSVを破り、1部残留を勝ち取った。

 この体制変更は「W杯が終わってから、W杯で悔しい思いをしていたぶん、試合への準備は変わったと思う」と気持ちを新たにしていたという伊藤個人にとっても前向きに作用していた。

 ラバディア体制では4バックのCBやSBを務めていた伊藤だったが、へーネス新監督の下では3バックのCBに変更。体制変更当初はアグレッシブな攻撃参加を見せる場面も増え、第27節のボーフム戦では残留争いの直接対決で勝利に導く今季初ゴールも記録した。

 その後は「対策された中でどうプレーしていくか」が課題となったといい、いまでは「より高いクオリティーだったり、タイミングを経験して成功体験を増やしながら成長していければ」「今の監督はよりショートパスのポゼッションを求めてくる監督なので安定感をもっともっと増していかないといけない」と伸びしろのほうを見つめているが、プレーの幅は広がった。

「残留争いはなければないほうがいいと思うし、上に行きたい気持ちはありながら、なかなかできる経験ではない」という厳しい残留争いの経験も含め、欧州第一線でのプレーは日本代表にも活かされるはず。この日、合流初日の練習に臨んだ伊藤は「1週間空いたので身体はしんどかった」と振り返りつつも、「1週間しかない中でどれだけチーム力を高めていけるか。次のW杯に向けて新たにスタートしているので選手層をより厚くするため、チーム力を上げるためにミーティングしている。選手個々それぞれが個々の成長とチーム力を高めるところを意識してやっていければ」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)

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