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女子W杯直前のなでしこJが千葉合宿打ち上げ! 池田太監督「充実したキャンプになった」PK練習にも手応え

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リカバリーメニューで千葉合宿を終えたなでしこジャパン

 なでしこジャパン(日本女子代表)は6日、千葉市内の高円宮記念JFA夢フィールドで合宿最終日のトレーニングを行い、軽めのメニューでリカバリー調整した。チームは6日夜に東京都内で壮行会を行った後、短いオフを取り、女子ワールドカップ前ラストマッチとなるMS&ADカップのパナマ戦(14日、ユアスタ)に向けて10日に再集合する。

 全体練習には女子W杯メンバーのうちMF遠藤純(エンジェル・シティFC)とFW浜野まいか(ハンマルビーIF)を除いた21人とトレーニングパートナー5人が参加。前日5日にはオルカ鴨川FC(なでしこ1部)と40分×3本のトレーニングマッチを行っていたこともあり、リラックスムードでの軽めの調整となった。

 終了後には池田太監督が報道陣の取材に応じ、「キャンプの一つの目的でもあったコンディションを整える、上げていくこともできたし、10日間で最後の細かい積み上げも含めて考えてきたことができた。選手の表情もW杯に向かう一体感や集中の度合いも少しずつ上がっていく充実したキャンプになった」と総括した。

 オルカ鴨川FCとの練習試合は7-0で勝利。指揮官は「ゲームを組んだ理由の一つはゲーム感、ゲームの中でコンディションを整えて、いろんなやってきたことをトライすること。相手を見てサッカーしないといけないし、自分たちのやるべきことをやるという意味ではプレーの中で自分の良さ、持ってるものを出してくれたと思っている」と手応えを述べつつも、2週間後に開幕する世界舞台を見据えての課題も口にした。

「昨日のゲームはもっともっとチャンスをスコアに変えないといけない部分もあった。またゲームの中で細かいことを言えば、イージーなミスだったりでCKを多く与えてしまっている。世界と戦う時にはセットプレーにつながるシーンは減らさないといけない。気をつけないといけない部分、もっともっと高めないといけない部分に気づけたことでもゲームをやった意味があった。ポジティブな部分のほうが多かった」

 試合では特に前半、相手の苦し紛れのクリアボールを弾き返すことができず、何度か最終ラインの背後を取られる形が続いていた。指揮官は「距離感だったり、カバーのポジションだったり、ディフェンスラインとGKも含めて、そういうところは常にゲームの中でコントロールして気をつけていかないといけない」と気を引き締めてた。

 練習試合では1〜3本目の後、それぞれの出場メンバーでPK戦を実施。選手たちはそれぞれのルーティーンや駆け引きを意識しつつ、次々にキックを成功させていた。

 池田太監督はミーティングでもPK戦に言及しているといい、心理戦の要素を強調している様子。「キッカーを孤独にしない」ための工夫として、練習でも選手たちが肩を組んで声を出したり、キックを終えた選手を迎え入れるなどの取り組みを行っていた。

 これまで育成年代のW杯でもPK戦練習を行ってきたという池田監督は「大会に向けた準備の一つとして、W杯のノックアウトステージではそういうこと(PK戦)があるので、やれるマインドにするという意味では場慣れもあるし、(練習で)やったということが自信につながればと思っている」と意図を説明。選手たちの振る舞いには「ああいうトレーニングマッチでも肩を組んだり、いろんなコミュニケーションを取って、照れながらではなくイメージしながら行動に動かしていて、本大会にしっかり意識が向いているなと感じた」と手応えを口にした。

 またこの日の練習前には、所属先が決まるまで夢フィールドで自主トレを続けているカタールW杯日本代表キャプテンのDF吉田麻也がなでしこ戦士たちと対面。吉田に声かけを依頼した池田監督は「夢フィールドでやれている利点」とした上で「W杯がどういうものかを選手に伝えられればと思った。引き締まるし、良い声をかけてもらった」と感謝した。

 加えて池田監督は所属先の公式戦で負傷後退した浜野の状態にも言及。「途中交代はしたけどメディカルとも連絡も取っているし、問題ない。またもう1節やってから合流するのでそこも見られる。コミュニケーションも取って確認したい」と前向きな見通しを示した。

(取材・文 竹内達也)
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