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田嶋会長「大きな改革ができたことに意義がある」JFAが来年3月から理事会定数を大幅削減へ、会長選も一部規程変更

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JFAの田嶋幸三会長

 日本サッカー協会(JFA)は30日、臨時評議員会を開き、今年5月から組織改革検討タスクフォースで議論していた来年3月以降の理事会体制・業務執行体制の基本方針が承認された。理事会定数は現行の23〜30人(現在は27人)から9〜15人に大幅に削減。理事会の機能は「監視・監督」と「政策決定」に重点を置き、「業務執行」は専門委員会や各本部に権限移譲していくという。

 理事会の定数変更は「適正人数化」と「多様性確保」が主な目的。専門性のある人材を登用するとともに、スポーツ庁が2019年に定めたスポーツ団体ガバナンスコードにある女性理事40%以上、外部理事25%などといった基準にも適合させていく。

 理事会の定数削減に伴い、理事会の「監督と執行の分離」も進めていく。JFA側は「今後は監視・監督、政策形成の機能にウエイトをシフトし、業務執行は権限移譲していく。本来の理事会の機能に特化・集中させて、理事会としての実効性を確保していきたい」としており、決裁権などの業務執行は技術委員長や女子委員長ら委員会委員長、フットボール本部長やマーケティング本部長ら事務総長に委譲されるという。

 また本年度実施予定となっている協会長選挙の運用方法も一部変更されることが決まった。2016年3月から4期にわたって務めてきた田嶋幸三会長は今期限りで退任。8年ぶりの改選が確定している。

 今回の選挙からは新たに、立候補者が評議員からの推薦を得るための「推薦依頼期間」が新設。これまでは投票前に「選挙活動期間」が約1か月間設けられていた一方、推薦依頼はいつでもできる状況にあったが、今後は推薦依頼の活動は選挙活動期間前の約1か月間に限られる。なお、推薦依頼期間の前でも立候補の表明は行うことができるという。

 また現行制度では、評議員が加盟団体の意思とは関係なく立候補者の推薦を行うことができていたが、今後は加盟団体の意思に基づいた推薦書の提出が必須に。これまでも投票時は加盟団体の意思に基づいていることが求められており、推薦時もこの運用と一致させる形となった。さらにこれまで加盟団体がどの立候補者を推薦したかは非開示となっていたが、今後は開示される。

 加えて来年1〜2月には、当初今夏行われるはずだったアジアカップがカタールで開催予定。これに伴い、協会長選は大会期間と重ならないように前倒しで行われることが決まった。現状の予定では推薦依頼期間が10月30日から11月25日、選挙活動期間が11月26日から投票日の12月24日になるという。

 臨時評議員会後、オンラインで会見を行ったJFAの田嶋幸三会長は「大きな改革ができたことに意義があると思っている。私はこの任期を持って退任することを理事会でもお伝えしているし、それがあるからいまこれができると思っている」と説明。「日本サッカーのためにこうあるべきだということで理事会も含めて賛同してくださった。既得権はあるかもしれないが、日本サッカーのためにはこのほうがいいと賛同してくださったことに改めて感謝している」と述べた。

 また理事会体制の変更については「ガバナンスコードは一つの引き金ではあったが、日本サッカーが世界に伍して戦える組織にするためにもっと努力しないといけない、意思決定を速やかに行える組織でありたいと議論してきた」と経緯を明かし、「ガバナンスコードありきではない。多様性をもって外部から監視・監督していただくことも強化しないといけない、評論家の集団のような組織になってはいけない。そうしたことを議論した上でこのようなサイズになった」と説明した。

(取材・文 竹内達也)

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