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シリア、北朝鮮とのW杯2次予選…田嶋会長が見解「ホーム&アウェーでやることがフェア」

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女子W杯をFIFAジャンニ・インファンティーノ会長と観戦したJFA田嶋幸三会長

 日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長が30日、臨時評議員会後にオンラインで記者会見を行い、今月27日に組み合わせが決まった北中米ワールドカップ2次予選に言及した。日本代表はシリア、北朝鮮、ミャンマーもしくはマカオと同じB組に入っており、政情不安な国々でのアウェーゲーム開催に懸念の声が上がっていた。

 田嶋会長はアウェー戦開催について「もちろんホーム&アウェーでやることがベースで、それがフェアだと思う」としながらも「それなりの問題を抱える国と一緒になったと思う」と指摘。それでも「われわれとしてはホーム&アウェーでできる対応をしていかないといけない。相手チームもあることなので臨機応変にやることも含めて、良い準備をしていかないといけない。簡単に勝てる相手ではない」とした上で、中立地開催の可能性については「相手があってのこと。相手がそれを望むのであれば、そして代表チームの選手が納得できることであれば致し方ない。シリアは実際にそうしてきた」と述べるにとどめた。

 日本代表は2019年9月から21年6月に行われていたカタールW杯2次予選を46得点2失点の8戦全勝で突破。モンゴル戦では14-0、ミャンマー戦では10-0と大差の試合も続き、当時のキャプテンのDF吉田麻也が相手の気迫に敬意を示しつつも「本当に有意義かはクエスチョン」と2次予選の仕組みに疑問を呈する場面もあった。

 JFA側もアジアサッカー連盟(AFC)の競技委員会に対し、2次予選の枠組みに問題提起をしていた。だが、今大会ではW杯出場国数の増加に伴うフォーマット変更により、試合数こそ8試合から6試合に削減されたが、日本が2次予選に参加すること自体には変更がなかった。

 田嶋会長は「われわれの意見を出したのは事実で、議論はしてくれた。ただ日本とやりたいという国の意見が大きかった。10-0という試合を少なくしていこうと提案したが、日本とやることの意義、韓国、オーストラリア、サウジとやることの意義を主張する国が多かった」とし、「議論はしたけどこのような結論に達した」と経緯を明かした。

 一方で田嶋会長はシリア、北朝鮮などとの2次予選について「われわれとしてもこのグループで10-0という点差をあけられるような国は一つもないと思っているくらい」と対戦相手を警戒。「そんなに簡単ではないと思うのでしっかりと戦ってほしいと思う」と冷静に語った。

(取材・文 竹内達也)

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