日の丸を背負う戦いのハードさにも「言い訳にはできない」と力を込めた。MF松木玖生(FC東京)はクラブでの戦いを終えた数時間後に飛行機に乗り、4日にAFC U23アジア杯予選の舞台となるバーレーンに到着した。現地での練習初日は疲労も考慮されてDF木村誠二(FC東京)とともに別メニュー。厳しい環境に「慣れていかないといけない。ピッチが変わってもやることは変わらない」と冷静に語った。

　4日に14人が現地入りしたU-22日本代表は、5日に残る9人が合流。そして6日にはグループリーグ初戦でパキスタンと対戦する。U-22日本代表では昨年6月にウズベキスタンで行われたU23アジア杯以来となるアジアとの戦いだが、松木はその後U-20日本代表として今年3月にU-20アジア杯も経験。「アジアのサッカーは粘り強いというのはすごく印象がある。今回の3試合もすごくタフで難しい試合になる」と警戒を怠らず、パリ五輪への本格スタートを切る意気込みを語る。

「いかに自分たちがパリ五輪に向けて、もしくは最終予選に向けて、いいステップを踏んでいくかの勝負になる。しっかり妥協することなく、ピッチ上で示していけたら」

　大岩剛監督体制のチームには昨年6月のU23アジア杯以来の参加となる。U-20日本代表での戦いを経て、改めて選出されたことに「より高いものを求められる。もちろん自分もそれを求めにここに来ている」とその意味を強調。自身に求められるポイントを「得点とかアシストといった目に見えるものもそうですし、運動量もそうですし、ほかの選手との違いを見せられるように」と語る。「ほかのパリ世代のボランチが持っていない特徴を大岩監督にアピールできれば」と気を吐いた。

　全員が揃うのは前日練習からというタイトなスケジュール。たった一日ではあれど、早く合流できた松木に懸かる期待も小さくない。「いつも以上に自分がもっと要求して、大岩監督からもそのリーダーシップを活かしてほしいと言われた。チームを引っ張っていけるように、この一戦でしっかり見せつけることができるようにしたい」。U-20W杯の悔しい敗戦から3か月。世界への新たな戦いが始まった。

(取材・文　石川祐介)

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