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「もちろんパリ五輪はあるけど…」GK鈴木彩艶は“3年後”を見据えてA代表合流

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GK鈴木彩艶

 この夏にシントトロイデンで欧州生活をスタートさせ、さっそく出場機会を掴んでいるGK鈴木彩艶日本代表復帰を果たした。A代表は昨年夏のEAFF E-1選手権でも経験し、香港戦(○6-0)ではデビューも飾った2002年生まれの21歳だが、欧州組も含めたフルメンバーでの合流は初めて。来年夏のパリ五輪、3年後の北中米W杯に向け、期待の守護神が大きな一歩を踏み出そうとしている。

 鈴木はベルギーからの帰国の関係で、前日11日からの代表合流。それでも報道陣に公開されたメニューにはフル参加しており、「練習の中でコミュニケーションが取れるし、自分を出しながら味方とうまくできている。それを高めて試合でもつながっていけたら」と手応えを口にする。

 所属先のシントトロイデンでは8月27日の第5節セルクル・ブルージュ戦で初出場し、以降は6試合連続でフル出場。「タイミングの部分では日本ではあまり感じなかった不意を突かれるようなタイミングでシュートを打ってくることが多いので、それは数試合を経験して学んだ部分」と環境の変化を認識しつつ、「そこを常に頭に入れながらトレーニングから取り組んでいきたい」と日常のトレーニングに活かしているという。

 GKの海外挑戦はGKコーチとの相性も重要。浦和時代はスペイン出身のジョアン・ミレッコーチのもとで鍛錬を積んでいたが、シントトロイデンはドイツ出身のデニス・ルーデル氏とトレーニングを重ねている。

「浦和時代にはジョアンコーチからいろいろ教わったけど、その全てが自分としても100%同意するという部分ではなかったので、非常に素晴らしい部分は吸収しながら、新しい場所で新しいコーチと出会って、そこでまた自分に合ったものを選択しながら自分らしくやっていければ」。指導法の変化も含め、前向きな取り組みを進めているようだ。

 そうして迎える10月シリーズ。すでにA代表キャップは記録しているが、フルメンバー編成での出場となれば、来年夏のパリ五輪、3年後の北中米W杯に向けて大きな一歩となる。鈴木は「W杯を獲るというのをずっと言い続けているので、もちろんパリ五輪はあるけどその先のW杯を目指している。まずはこの遠征で自分自身をしっかり表現できたら」と意気込んだ。

(取材・文 竹内達也)
●北中米W杯アジア2次予選特集ページ
竹内達也
Text by 竹内達也

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