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A・デイビスの速さにPK献上も自ら止めたGK大迫敬介「最後まで相手を見ながら我慢して…」

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日本代表GK大迫敬介(広島)

[10.13 MIZUHO BLUE DREAM MATCH 日本 4-1 カナダ デンカS]

 勝負を分ける大仕事だった。日本代表GK大迫敬介(広島)は前半21分、FWジョナサン・デイビッドのPKをスーパーセーブ。一度は左に飛ぼうとしていたが、冷静に残した足でかき出した。試合後には「自分が与えてしまったPKだったけど、最後まで相手を見ながら我慢して止めることができてよかった」と振り返った。

 大迫が進んで切り出したように、このPKは自らのファウルで与えたものだった。ワンツーで抜け出してきたDFアルフォンソ・デイビスに間合いを詰めるも、飛び込んだ際の手が相手の足に接触。「飛び出したタイミングでは絶対に自分が先に触れるような感覚で出たけど、相手のスピードが思っていた以上だった」。世界屈指のスピードに上回られる結果となった。

 主審は一度はノーファウルとしてプレーを流したが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の助言を受けてオンフィールド・レビューを実施。それでも大迫は冷静だった。

「もうVARが入った時点でPKだろうなという感覚があったので、頭の中でタイミングをうまく整理していた。PKになった時もびっくりはしなかった」。すぐに思考を切り替えてPKに向き合い、「落ち着いてゴールに入ることができた」。そうした心構えもあり、駆け引きでも相手を上回った。

 キッカーのJ・デイビッドは大迫の動きを見ながら中央に蹴ってきたが、冷静に足を残してセーブ。プロ入り後、PKを止めた経験はなかったが、代表戦の大舞台でチームを救った。「周りからそういう声もあったが、ただこういう舞台で一つ止めることで自分にとって良い感覚になった。続けていければ」。今後のGKキャリアに向けても、大きな自信を得られるビッグプレーだった。

(取材・文 竹内達也)
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ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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