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第2次森保Jで左サイド再挑戦あるか…南野拓実に開けた活路「可変できるのが大きな違い」

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MF南野拓実(モナコ)

 日本代表は15日、キリンチャレンジカップ・チュニジア戦(17日)に向け、試合会場のノエビアスタジアム神戸で初めてのトレーニングを行った。13日のカナダ戦(○4-1)で左足首を負傷したFW中村敬斗(スタッド・ランス)は練習に加われず、体調不良明けでようやく合流したFW奥抜侃志(ニュルンベルク)は個人練習のみで終了。左サイドハーフの本職不在のまま試合に臨むことになりそうだ。

 カナダ戦では負傷した中村に代わってMF旗手怜央(セルティック)が左サイドハーフに入っており、チュニジア戦での有力な先発候補。また第1次森保ジャパンで長らく左サイドハーフの主力を担ったMF南野拓実(モナコ)が、インサイドハーフ起用だったカナダ戦に続いて先発する可能性もありそうだ。

 左サイド再挑戦の可能性が浮上した南野は15日の練習後、報道陣の取材に対応。自身が左サイド起用された際の想定について「フォーメーションにもよるけど、中に入って行ってターンするとか自分の得意なプレーを出すタイミング、チームとしてのビルドアップで外に張って時間を作るほうがいいのか、オーバーラップしてくる選手との関係性を意識しながら試合に入りたい」と意気込みを語った。

 カタールW杯では本職ではないMF久保建英(ソシエダ)が左サイドハーフの主力を担い、スーパーサブにはMF三笘薫(ブライトン)が君臨していたため、トップ下の控えという立場に回っていた南野。その一因にはW杯に向けたカウンター志向への転換により、サイドにドリブルで持ち運べる選手が重宝されたという理由もあった。

 それでもW杯後の第2次体制では世界屈指のドリブラーとして名を上げた三笘が主力に君臨する傍ら、ドリブラータイプではない中村も出場機会を掴み、ここまで4試合4ゴールの大活躍。サイドバックのポジショニングが整理されたことに加えて、ボランチからもサポートが得られるようになっており、そうした変化で南野にも活路が開かれたと言える。

 左サイド事情の変化について南野は「いろんな形に可変できるようになっているのが大きな違い。それがあるからこそ、敬斗とか縦に突破するタイプじゃなくてもうまく攻撃に絡めている部分があって、それが得点や数字に表れていると思う」と指摘。「縦に突破する薫みたいな選手はチームとしても大きな武器だけど、そうじゃない選手が入ってもうまくプレーしないといけないので、それはいいことかなと思う」と手応えを示した。

 所属先のモナコでは3-4-2-1の右シャドーでのプレーが続いており、左サイドは「プレシーズンくらいでしかやっていない」という南野。それでも「全然どこでもいい。試合に出ることが一番。どんなポジションでもいい」と日本代表のピッチに立つため、ポジションにこだわるつもりはない。

 11月に開幕する北中米W杯アジア予選、来年1〜2月に迫るアジアカップを考えると、アクシデントの際に欠員を埋められる選手の重要性は大きい。第2次体制初招集で今後の定着を狙う南野は「監督がそういうところを見るために新しいメンバー、わりといろんなポジションができるメンバーが入っているし、自分も証明しないといけない。チームとして機能することを意識してやりたい」とアピールに燃えている。

(取材・文 竹内達也)

●北中米W杯アジア2次予選特集ページ
竹内達也
Text by 竹内達也

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