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「最初から冨安さん狙いで」アジア杯帯同の大宮18歳CB市原吏音が教わったプレミア基準

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DF市原吏音(大宮)

 アジアカップを戦う日本代表のトレーニングパートナーとしてカタール・ドーハでの合宿に帯同しているU-19日本代表DF市原吏音(大宮)が、ピッチ内でもピッチ外でも積極的な“仕掛け”で多くのものを吸収する毎日を送っている。合宿開始から2週間余りが過ぎた21日、報道陣の取材に応じ、「止める、蹴るという基礎の部分が明らかに違う。練習強度やスピードも自チームとはまったく違って、刺激的な日々を送れているなと思います」とハツラツとした表情で言った。

 大宮の育成組織で育った市原は高校3年生だった昨季、7月16日のJ2第26節栃木戦でリーグ戦初先発を飾ってフル出場を果たすと、そこから最終節の東京V戦までセンターバックとして17試合連続フル出場。チームはJ3に降格する厳しいシーズンとなったが個としての成長は著しく、18歳のCBは「去年の半年で自分も成長できたと思うし、あの半年があったからこそ、ここに来られていると思う」と胸を張っている。

 ドーハではアーセナルで活躍するDF冨安健洋が合宿に合流してから「こんな機会はないと思って、最初から冨安さん狙いで」(市原)積極的に質問しているという。

「冨安さんからも話しかけてもらったり、自分もいろいろ質問とかして、ここじゃあんまり話したくないことをいろいろ教えてもらっている」。ニコニコしながらそう言うように、世界のトップレベルで戦う選手ならではの高い意識についても深い話を聞けているようで「考え方が違うというか、プレミアの基準は個で守るということは絶対と聞いている」と秘密の会話の一端を明かした。

 冨安以外のセンターバックの選手と会話をすることもあるといい、「(モハメド)サラー選手のことなど、自分がテレビとかでしか見たことのない選手との話など、自分では体験できないような話もしてもらっている」と目を輝かせる。

 サラーとのマッチアップについて語った選手名こそ明かさなかったが、「前半45分で足つっちゃうぐらいの強度とスピードがあって、あとはDFイブラヒマ・コナテ選手はわけわかんないくらい足が速かったらしいです。自分にはそういうところが足りないと思っているので、違ったところでカバーしていくかなと思います」とも言った。リバプールのサラーとマッチアップしたということならば、昨年10月6日のUEFAヨーロッパリーグでリパプールと対戦したサンジロワーズのDF町田浩樹が濃厚だが、「あんまり言いたくないです」と笑って煙に巻いた。

 チームビルドの観点でも発見があった。市原が「衝撃だった」と表現したのは選手ミーティングの様子だ。「選手だけのミーティングに入らせてもらって聞いていただけなんですけど、まずは遠藤選手が話し始めるのですが、すぐにそれぞれが発言し始める」。これは自身が経験してきた年代別代表のミーティングではないことだったと言い、「自分の思ったことをパッと言ったり、チームとしてこうやっていくべきなんじゃないかと発言したり、それぞれがしっかり考えを持ってプレーしている」と感嘆した。

 28年ロサンゼルス五輪にも出られる年齢だが、飛び級でパリ五輪に出場したいという意欲も示した市原。「ここに来た(U-19日本代表の)5人が、自分たちの代表で発言していくべきだと思う」と力強かった。

(取材・文 矢内由美子)

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矢内由美子
Text by 矢内由美子

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