[2.3 アジア杯準々決勝 日本 1-2 イラン ドーハ/エデュケーション]

　4-2-3-1の左サイドハーフで今大会初先発を飾った日本代表FW前田大然(セルティック)が、持ち味のチェイシングやプレスバックで気を吐いた。ポジションこそ違えど、1トップの位置で世界を苦しめるハイプレスを見せたカタールW杯を思い出させる存在感だった。

「相手のサイドバックが攻撃で結構出てくるので、そこをしっかり抑えてほしいというのと、上がってくる分、スペースが空いているから、そこに出してくれとスカウティングから言われた。サイドバックをケアしながら前に行かなければならなかったので、すごくタフなゲームだった」。そう振り返りつつ、「そこではやらせなかったけど、負けてしまったので悔しい」と唇を噛んだ。

　イランは後半に入ってロングボールを徹底。「相手は本来、あれ(ロングボール)。(前半は)つなぐという感じでしたが、蹴って前線でだれかが起点をつくってというのをやろうとしていた。それをやらせてしまったのかなと」。後半22分に前田がベンチへ退くと、イランはますますロングボールを放り込み、日本は我慢しきれずに後半アディショナルタイムにPKを与え、逆転された。

　前田自身は決勝トーナメント1回戦のバーレーン戦で出番がなく、悔しい思いをしたというが、練習でアピールし、準々決勝という大一番で今大会初先発の座をつかみ取った。「そういうところを見て使ってくれたと思う」と感謝しながらも、「そこで結果を残せなかったのはすごく残念」と肩を落とした。

(取材・文　矢内由美子)

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