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アジア8強敗退にJFA田嶋会長「逆に引き締めるチャンスにしたい」

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ベスト8で敗退

[2.3 アジア杯準々決勝 日本 1-2 イラン エデュケーション]

 日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長がアジアカップ準々決勝イラン戦後、カタール・ドーハの試合会場で報道陣の取材に応じ、ベスト8敗退という結果を「もう一回イチからやり直すちょうど良い機会にしたい」と受け止めた。

 日本代表はイランとの大一番で、前半28分にMF守田英正のゴールで先制したものの、後半にロングボール攻勢で押し込まれて2失点。最後は後半アディショナルタイムのPKで決勝点を決められるという悲劇的な幕切れでベスト8に終わった。

 田嶋会長は「この結果はしっかりと受け止めないといけない。日本で応援してくださった方、ここで応援しにきてくださった方に感謝」と述べた上で「残念ながらこういう結果になってしまったが、ロジカルに後半はイランのほうがよかった。それがそのまま最後に慌ててPKを与えるところにつながった。誰がというよりチーム全体が押されていた。それが試合結果に繋がったと思っている」と敗戦を振り返った。

 その一方で「もう終わったこと。アジア最強とか調子良いとか言っていて、もう一回イチからやり直すちょうど良い機会にしたい」とし、森保一監督の進退問題について「全く考えていない」と強調。「(カタールW杯で)我々がドイツに勝ったり、スペインに勝ったりするのと同じようなことがアジアでも起こるということ。そういう意味では逆に良い引き締めるチャンスにしたい」と先を見据えた。

 イラン戦の前には性加害疑惑が週刊誌によって報じられたMF伊東純也(スタッド・ランス)について、田嶋会長はチーム離脱の処遇を決めた。ただピッチ外の混乱が敗退に与えた影響については否定的な見解を示し、「みんなプロフェッショナルで、いろんなことが起きてもそれに対応するのが選手たちで、そのレベルにある選手たちだと思っている。結果がこうなったことがそのことからというわけではないと思っている」と述べた。

 伊東をめぐっては決勝トーナメント1回戦バーレーン戦当日に疑惑が公になり、それから中2日で準々決勝イラン戦を迎えた中、チーム離脱をするかしないかで二転三転の議論が行われていた。バーレーン戦翌日にはいったんチーム離脱が決まったが、そこから選手がチーム帯同を嘆願し、イラン戦に向けた準備をすべき時間をピッチ外の対応に割かれた部分もあった。

 それでも田嶋会長は「私たちも向こうで議論した中で、“二転”というよりも、しっかりと情報を集めて調査した結果、ああいう形になったということ。みんなしっかりと受け止めてくれたし、逆に言えば納得して、選手たちも本人もああいう結果になった」と強調した。

 また報道をめぐっての対応については「僕らが知ったのがバーレーン戦のちょっと前だった。問題自体は少し前にきっと起きていたのだと思う。それについて協会として把握できていなかったことは、もう少しやることがあったと思う」と反省点を述べつつ、「ただあの時点で情報が入って、最善のことをしたと思っている」と説明した。

 その上で今回のアジア杯については「W杯予選に向けて良い引き締めになった。浮かれていたらダメなんだということも含めて選手たちは感じてくれると思うし、そんなに簡単ではないことを理解できたこと、それが収穫だったと思っている。またそうしなければならないと思っている」と受け止めた。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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