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三笘不在でチャンス到来…相馬勇紀が新境地宣言「少し変わった自分も出せる」

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森保一監督と話しこむMF相馬勇紀

 昨年11月以来の日本代表復帰を果たしたMF相馬勇紀(カサピア)が合流初日の19日、報道陣の取材に応じ、「どのようなプレーエリアでもやれる自信はついてきているので、少し変わった自分も出せると思っている」と新境地開拓に意欲を示した。

 昨年1月から相馬が所属するカサピアは今季、すでに2度の監督交代を実施。今年2月からは37歳のゴンサロ・サントス監督が指揮を執っており、シーズン当初からシャドーやウイングで出場機会を掴んでいた相馬は現体制下で5試合連続のベンチスタートが続いている。

 それでも今月8日のエストレラ戦では途中出場からゴールを決めており、「ゴール前でどこにボールが転がってくるかの感覚は上がってきている部分がある」と相馬。「少ない時間でアピールしないと次に繋がらない。そこは常に意識してやっている」と話し、限られた出番でも最大限の結果を出すため取り組んでいるようだ。

 カサピアでは加入当初から率いていたフィリペ・マルティンス前々監督の下では3バックシステムのシャドー、昨年11月に就任したペドロ・モレイラ前監督の下では4バックシステムのサイドハーフを担い、それも左右を問わずに起用され続けてきた。その経験は自身のプレーの幅を広げてくれたという。

「ポルトガルで監督3人と一緒にやって、一番外に張って仕掛けるところもあれば、8番と10番の中間のような感じで真ん中で受けてスルーパスでアシストするようなプレーもしていた」

 そう振り返った相馬は「今まではサイドで出た時はなるべく開いて、そこからどうしようという考えが多かったけど、1〜2か月前は中で受けたい気持ちも生まれていた。自分自身、成長を感じている」と手応えも口にした。

 昨年11月の代表活動ではサイドバックにもトライするなど、ポリバレントな素質を活かしてさまざまなポジションを志願してきた相馬。その姿勢はいまも変わらず、さらに自身のスキルが発揮できる局面を広げていっているようだ。

 今回の活動ではMF三笘薫(ブライトン)が負傷のため不在。代役招集という側面もあるものの、序列を崩すにはそうしたチャンスを掴み取ることが大事になる。相馬は「選ばれなかったのは悔しかったけど、それは自分の実力だと思っていた」というアジア杯落選の経験も糧に、再びサバイバルレースに挑んでいく構えだ。

 アジア杯の試合はすでに分析済み。「相手がロングボールを蹴ってきて、(陣形が)広がっていたことで、味方の選手同士の距離感は遠いけど、相手との距離感は近かった。そこで相手が潰しに来たり、ファウルできたりというのがあった。そこを剥がす馬力は自分にあるので、そういったプレーが有効だと思っていた」。そこに「外で見ていて客観的に話すのとプレーするのとは違う」と付け加え、出場選手への敬意を示すことも忘れなかったが、自身の役割は冷静に見つめている。

 敗戦を喫したグループリーグ第2戦のイラク戦、ベスト8敗退が決まった準々決勝のイラン戦など、苦しんだ試合に共通していたのは局面のデュエルが問われる内容だったこと。そうしたタフな展開では相馬の持ち味も活きるだろう。北朝鮮との2連戦でも同じような展開が予想される中、いまのビジョンをピッチ上で表現していきたいところだ。

(取材・文 竹内達也)

●北中米W杯アジア2次予選特集
ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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