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パリ五輪出場に王手! U-23日本代表が準決勝進出! 数的優位で一時逆転されるも…開催国カタールとの延長接戦を制す

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FW細谷真大

[4.25 AFC U23アジア杯準々決勝 日本 4-2(延長) カタール ドーハ]

 U-23日本代表は25日、パリオリンピックアジア最終予選を兼ねたAFC U23アジアカップ2024の準々決勝でU-23カタール代表と対戦し、4-2で勝利。前半2分にMF山田楓喜(東京V)のゴールで先制するが、同24分に追いつかれる。39分には相手の退場で数的優位に立つも、後半4分には逆転を許した。だが、22分にDF木村誠二(鳥栖)が同点ゴール。試合は延長戦に突入すると、延長前半11分にFW細谷真大(柏)が勝ち越しゴールを挙げ、延長後半7分にはFW内野航太郎(筑波大)がダメ押しのゴールを決めた。日本は残り1勝で8大会連続の五輪出場が決まる。

 今大会の上位3か国がパリ五輪出場権を獲得できるなか、日本はその切符に王手をかけるべく、準々決勝に臨んだ。中2日の連戦を考慮し、22日の韓国戦からDF高井幸大(川崎F)以外の先発を10人変更。グループリーグ初戦・中国戦をベースにして選手を起用した。

 4-3-3の布陣を敷き、GKは小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)、4バックは左からDF大畑歩夢(浦和)、木村、高井、DF関根大輝(柏)。アンカーはキャプテンのMF藤田譲瑠チマ(シントトロイデン)、インサイドハーフは左がMF松木玖生(FC東京)、右がMF山本理仁(シントトロイデン)。前線3人は左からMF佐藤恵允(ブレーメン)、FW細谷真大(柏)、山田が並んだ。

 開始2分、日本が先制に成功する。山田楓がDFサイフ・エルディーン・ハッサンのバックパスを奪うと、PAライン付近から左足を一閃。ゴールのニアサイドを突き刺した。

 試合を優位に運びたい日本だが、前半24分に同点に追いつかれる。DFアブドゥラ・アル・ヤジディに左サイドからクロスを上げられると、ファーサイドから詰めたエースFWアーメド・アル・ラウィのヘディングシュートを打たれ、ゴール右隅に同点ゴールを決め切られた。

 観客数こそ多くはないが、同点に追いついたことで地元カタールの観客が大盛り上がり。雰囲気に飲まれた日本はカタールに勢いを奪われた。

 日本は前半38分に決定機。左サイドのスローインからPA左で待ち構えた松木がボールキープし、深い位置まで入り込んでボールを折り返す。ファーサイドの細谷がワンタッチで押し込もうとするが、ミートしきれずゴール右外に流れていった。

 前半39分、日本は思わぬ展開で流れを引き寄せる。松木が最前線にロングボールを送ると、ボールを追いかけた細谷がジャンプしたGKユーセフ・アブドゥラーに腹を踏まれる。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックを経て、アブドゥラーにレッドカードが出されて退場処分。日本が数的優位に立った。

 カタールはGK補充のためにFWハリド・アリを下げ、GKアリ・ナダルを投入。数的優位の日本がボールを握るが、あと一歩ゴールまで遠く、前半は1-1のまま折り返した。

 日本はハーフタイムで交代カードを切る。警告を受けていた松木が下がり、FW藤尾翔太(町田)が投入された。4-4-2の布陣に変え、藤尾と細谷が2トップを組んだ。

 日本は後半4分に逆転を許す。カタールに中盤からFKを与えると、DFモスタファ・メシャールのキックからFWジャッセム・ガベルのヘディングシュートを食らう。数的優位のなかで1-2と試合をひっくり返された。

 あわてずに試合を運ぶ日本は徐々に押し込んでいく。後半22分に同点ゴール。右CKを山本が左足で蹴ると、ニアサイドに詰めた木村がヘディングシュートで流し込む。今大会2点目で試合を振り出しに戻した。

 日本のパス回しでカタールは疲弊。足を攣る選手が増えていくなか、後半36分に2枚替えを行う。アル・ヤジディと1点目を決めたアル・ラウィが下がり、DFアブダラ・ユーシフとFWタミーム・マンスールが出場した。

 日本も後半38分に2枚目のカードを切る。佐藤に代えてMF平河悠(町田)が入った。試合はそのまま決まらず。後半アディショナルタイムは9分。日本は後半アディショナルタイム5分過ぎに山田を下げ、FW荒木遼太郎(FC東京)を出場させた。

 疲弊するカタールはカウンターに出られる選手もほぼおらず、後半終了まで時間を稼ぐ。日本がチャンスを作り続けたが、試合を決めるゴールは入らない。90分で決着つかず、2-2のまま延長戦に突入した。

 延長前半11分、日本に待望の勝ち越しゴールが生まれる。中盤右サイド際のFKをパスからスタートさせ、藤田から縦にパス。PA手前で受けた荒木がPA右に通すと、ボールを収めた細谷が渾身の右足シュートを決め切った。

 不発に苦しんだエースの今大会初ゴールに、日本は勢いづいた。延長前半が終わると、細谷と山本を下げ、内野航とMF川崎颯太(京都)が入る。藤尾が右ウイング、インサイドハーフに川崎と荒木が入り、4-3-3の布陣に戻った。

 延長後半7分、日本がダメを押す。荒木が左CKを蹴り、PA手前にこぼれたところを川崎が右足ミドル。ゴール前のこぼれ球を内野航が仕留め、4-2と点差を広げた。得点直後には大畑を下げ、DF半田陸(G大阪)が入った。

 そのまま延長後半までリードを守り切り、4-2で勝利を収めた。29日の準決勝では、イラクとベトナムの勝者と対戦する。

 準決勝で勝利すれば無条件でパリ五輪出場が決定し、敗れた場合でも3位決定戦で勝ってもパリ五輪出場は決まる。4位の場合は5月9日にフランスで行われる大陸間プレーオフでアフリカ予選4位・ギニアと対戦することになる。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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