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澤不在のボランチで存在感発揮、宇津木「自分の色を少しは出せた」

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[4.5 キリンチャレンジ杯 日本4-1ブラジル ホームズ]

 澤不在の穴を埋めた。ボランチで先発したDF宇津木瑠美(モンペリエ)が正確な長短のパスでリズムをつくり、中盤で存在感を発揮した。

「できないところもあったけど、自分の色を少しは出せたかなと思う」。謙虚に振り返った23歳はDF田中明日菜とのダブルボランチで先発。中盤でタメをつくり、前半24分、30分には立て続けに左サイドをオーバーラップしたDF鮫島彩に絶妙なスルーパスを通した。

 しっかりとショートパスをつなぎながら攻撃を組み立てるなでしこジャパンの中、一発のパスで局面を打開する宇津木の存在は異色であり、同時に彼女の真骨頂でもある。オフサイドにはなったが、後半34分にも最終ラインの背後を狙ってMF上辻佑実へロングパスを出すなど好機を狙い続けた。

 特にFW永里優季とのタイミングは絶妙で、シンプルな攻撃でチャンスを演出。宇津木自身、そのプレーには手応えを感じていた。

「彼女は普段から強いところ(ドイツリーグ)でやっているし、一瞬のチャンスを逃さない選手。私もそうだし、チームとしてパス回しを重視しているけど、永里と私にできることも出していきたい。それを出さないでセーフティーにやるのは私の色じゃない」

 絶対的な存在だったMF澤穂希が体調不良で不在の中、FIFAランキング4位のブラジルに完勝。MF宮間あやと並んでその中盤を支えた宇津木の存在は、ロンドン五輪はもちろん、澤の後継者としても期待を高めるものだった。

(取材・文 西山紘平)

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