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「彼女は日本の武器」、途中出場で1得点の永里を宮間も絶賛

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[4.5 キリンチャレンジ杯 日本4-1ブラジル ホームズ]

 途中出場に奮起した。ベンチスタートとなったFW永里優季(ポツダム)は前半38分、FW安藤梢(デュイスブルク)に代わってピッチに入る。すると後半13分、MF宮間あや(岡山湯郷)の右CKにニアサイドで合わせ、勝ち越しヘッド。同16分にも自らのシュートのこぼれ球を宮間が蹴り込み、追加点を演出した。

「永里はスタメンを外されたこともあり、奮起していた」。そう指摘した佐々木則夫監督は、先発起用した安藤、DF熊谷紗希については8日にチームでリーグ戦があるため、試合前から時間を制限する考えだったという。安藤も「『前半の残り10分で交代するかもしれない』とは言われていた」と明かす。それでも、永里にとって先発落ちという事実は変わらない。その悔しさを途中出場のピッチでぶつけた。

 前線で体の強さを見せ、起点となり、積極的にゴールを狙う。そんな生粋のストライカーを宮間も「彼女は日本の武器」と絶賛する。「プレーの幅がどんどん広がっている。彼女の良さを引き出せれば、常に相手の脅威になれるし、それをサポートしていきたい」。なでしこの主将は、そう太鼓判を押した。

 永里自身、「(日本の)どの選手に対しても自分の中で分析して、データを収集して、こういうときはこういうプレーをするというのは把握できている。それをピッチで引き出せるようになってきた」と、チームメイトとの連係向上に手応えを深めている。それでも、満足することなく、高い要求を口にする。

「チーム全体のレベルアップが必要。組み合わせによって変わらないように。一人ひとりが自覚を持って、組織としてレベルアップを図らないと、五輪も連戦だし、それはチームとして思う。これまで積み上げて来たものが今、形になっている。チームに戻って、進化のきっかけとなる課題を見つけて、取り組んでいきたい」

 本番ではどんなアクシデントがあるか分からない。それを乗り越え、金メダルを取るために、今の歩みを止めるつもりはない。

(取材・文 西山紘平)

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