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豪快ボレーの柿谷、“ポスト清武”の期待に応える2戦連発弾

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[7.7 J1第17節 横浜FM1-1C大阪 ニッパ球]

 2戦連続でチームを救った。セレッソ大阪は0-1で迎えた後半35分、MF柿谷曜一朗の2戦連発弾で追いつき、1-1ドロー。後半ロスタイムに追いついた前節・浦和戦(1-1)に続く2試合連続の同点ゴールでチームに勝ち点1をもたらした。

 圧巻の左足ボレーだった。MFブランキーニョから縦パスが入ると、ゴールに背を向けた状態でワントラップ。ボールは上に浮いたが、素早く体を反転させながら左足で浮き球を叩く。PA手前から豪快なボレーシュートをゴール左に突き刺した。

「トラップで止めようとか、トラップで浮かそうとか、いつも考えているわけじゃない。自然とあの一連の流れになった」。無心の中から生まれた鮮やかなゴールで今季4得点目を記録した。

 MF清武弘嗣がニュルンベルクに移籍し、U-23韓国代表に選出されたMFキム・ボギョンも不在。攻撃陣の再編成を強いられる中、これまで2トップの一角を担ってきた柿谷が中盤に下がり、その穴を埋める格好となった。本人は「いつもどおりやろうと思っていた」と言うが、“ポスト清武”として最も大きな期待を寄せられるのが、レンタル移籍から2年半ぶりに復帰してきた背番号13だろう。

 セルジオ・ソアレス監督は「清武、キム・ボギョンのスタイルと、柿谷、ブランキーニョのスタイルはまったく違う。新しいチームの形を模索していかないといけないし、練習ではもちろんやっているが、さらに試合の中で連係を磨いていかないといけない部分はどうしてもある」と指摘。「1週間練習を重ねてきて、今日のプレーは悪くはないが、さらに熟成させていく必要もある」と、清武抜きの攻撃陣に及第点を付けながら、さらなる連係向上を図るつもりだ。

「最後、自分のゴールで追いつけたのはよかったけど、もう1点取れるチャンスもあったし、相手に取られてもおかしくない場面もあった」。そう振り返った柿谷は「逆転する力がなかったのがこれからの課題。もう1点取りにいく姿勢を見せられたのはよかったけど、次は姿勢だけでなく、結果にもつなげていきたい」と力説。その厳しい表情には、攻撃陣を引っ張っていかなければならない自覚ものぞいていた。

(取材・文 西山紘平)

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