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代表を蹴ってハットトリックの大活躍、ズラタン「残留のために」

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[10.27 J1第30節 柏1-4大宮 柏]

 スロベニア代表を辞退した男が全4得点に絡む大活躍を見せた。ここまで8試合でわずか1得点。“助っ人”の役目をはたせていなかった大宮アルディージャのFWズラタンだが、この日は3得点1アシストの大暴れ。

 前半、柏レイソルに主導権を握られ嫌な雰囲気の中、柏のDFより一瞬早くボールに反応すると、GKと1対1に持ち込んだ。後半2分、同4分の得点シーンも、すべてGKとの1対1から奪った得点。しかもGKは1対1に強い菅野孝憲。驚異的な決定力を見せつけた。

「私はゴール前で待って点をとるタイプの選手ではなく、DFなどでチームに貢献する選手。ハットトリックは素晴らしいが、それ以上にチームが勝利したことが重要だ」

 外国人ストライカーといえば、いわゆる“点取り屋”。点は取るが献身的なプレーはあまり望めない。しかし、ズラタンは献身的なプレーを第一にしていると語った。

 さらに、フォアザチームはプレースタイルだけではない。12日と16日に行われたブラジルW杯欧州予選でスロベニア代表に選出されながら、「大宮の残留のために」召集を辞退している。「代表招集もそうだし、プレーを見ても気持ちが伝わってくる」。チームメイトのMF東慶悟も勝利の立役者を褒め称えた。

「代表を辞退したことは後悔していない。(代表招集で)失うことも多く、100%でプレーできない状況になってしまう。(シーズンで)何点取るかというよりも、目標は次の鹿島戦。(ホームの)ファンの前で勝ちたい」

 チームの目標であり、自身の目標でもある“残留”をはたすことができるのか。残り4試合、新たなエースストライカーの真価が問われる。

(取材・文 奥山典幸)

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