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J2初陣はドロー、G大阪・長谷川監督「よく勝ち点1をもぎ取った」

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[3.3 J2第1節 G大阪3-3京都 万博]

 ガンバ大阪のJ2初陣は“らしい”試合になった。ホームに京都を迎え、3-3のドロー。先制を許しながら後半にいったんは逆転。その後、再逆転を許したが、最後は後半ロスタイムにMF遠藤保仁のPKで追いついた。

 今季から就任した長谷川健太監督は「たくさんのサポーターが来てくれた中で、勝ち点3を取れなかったことは残念だが、今日の試合展開を見れば、最後によく勝ち点1をもぎ取った試合だったと思う」と、その初陣を振り返った。

 クラブにとって初のJ2というだけでなく、長谷川監督にとっても05年から10年まで指揮した清水監督時代以来、3年ぶりの現場復帰だった。「選手たちは前半から緊張がだいぶあった。私自身、久々の開幕戦ということで、そうした気持ちが若干選手に伝わって、硬い前半になったのかなと思う」。0-1で折り返した後半開始からMF家長昭博とMF倉田秋の位置を入れ替え、家長がサイド、倉田が中央に移った。

「アキ(家長)がタメをつくって、(倉田)秋もボールに触って、リズムが変わったことで逆転できた。選手たちがよく理解して、プレーしてくれた」。一時は2-1と勝ち越したが、守備陣が耐え切れず。後半36分、ぽっかり空いたバイタルエリアを突かれてミドルシュートで追いつかれると、後半ロスタイムにはスルーパスを通され、再逆転を許した。

 試合を通じて京都のハイプレッシャーに苦しめられ、なかなかG大阪らしいパス回しを出せなかった。「なかなか自分たちの時間をつくれず、最後、踏ん張りがきかなかった」。ボディブローのようにスタミナを奪われていたことを3失点の要因に挙げた指揮官は「岩下が最後へばっていた。ケガで出遅れて、ここまでフルでできていなかったというのもある」と指摘。清水時代からの愛弟子でもあるDF岩下敬輔が終盤は棒立ちに近かったが、「DFラインだけの責任ではない。しっかりと確認したい」と、チームとして守備の再構築を図るつもりだ。

「3失点もしているので、もう一度、全体で意思統一しないといけない。はじめからJ2は甘くないと思っていた。選手もそのあたりを実感したと思う。これからはもっと締まった試合をしないと、勝ち点を積み上げるのは難しい」

 昨季、J1最多の67ゴールを挙げながら、最下位・札幌に次ぐワースト2位の65失点でクラブ史上初のJ2降格が決まった。壮絶な打ち合いとなった開幕戦は良くも悪くも“ガンバらしい”試合だったが、「そこは変えていかないといけない」と長谷川監督。伝統のパスサッカーと爆発的な攻撃力という“らしさ”は残しながら、“らしからぬ”堅守を築く。新監督の挑戦は始まったばかりだ。

(取材・文 西山紘平)

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