[2.26 J1リーグ第2節 浦和 0-1 G大阪 埼玉]

　公式戦3試合目。ようやくつかんだ初白星に、今季からガンバ大阪を率いる片野坂知宏監督は「何とか粘り強く1点をもぎ取り、勝利につなげられたのが本当に良かった」と胸を撫でおろした。

　J1リーグ開幕戦・鹿島戦(●1-3)、ルヴァン杯グループリーグ第1節・C大阪戦(●2-3)と公式戦2連敗で迎えた浦和戦。「もう一度奮い立たせ、勝てるゲームをということで準備してきた」と初勝利をつかむべく、埼玉スタジアムに乗り込んできた。

　しかし、ゲームは一方的な浦和ペースで進む。ボールをつながれ、フィニッシュまで持ち込まれる。相手攻撃を寸断しても、切り替えの早い浦和に奪い返され、押し込まれる時間帯が続いた。しかし、選手たちは高い集中力を保ち、浦和攻撃をはね返し続け、決定的なシュートはGK石川慧がストップするなど得点は許さない。

「浦和さんの攻撃力と素晴らしいサッカーを自分たちが上回ることができなかったが、前半をゼロでしのげたのが大きかった」

　0-0のまま後半を迎えると、FW山見大登とMF石毛秀樹を投入。前線からのプレッシャーを強めて勢いをもたらし、敵陣でのプレー回数を増やしていく。そして、同16分にはMF山本悠樹、同35分にはMF福田湧矢と交代カードを切って流れを引き寄せようとし、同36分にMF岩尾憲が2度目の退場を受けて数的優位に立つと、同38分に福田の決勝点が生まれた。

　右サイドに出されたボールを石毛がヒールで落とし、山本、山見がつなぎ、最後は福田が沈めた決勝点。交代選手4人が関与して生まれたゴールとなった。

「内容は浦和さんの試合だった。ピンチもたくさんあったけど、そこで選手が体を張り、石川がスーパーセーブで助けてくれた。粘り強い守備は今後すごく大事になると思う」

　1-0の完封勝利で就任後、公式戦初白星を獲得したが、すぐさま気を引き締め直す。「一つリーグ戦で勝つことができた。ルヴァンに向けてもいい弾みになったと思うし、勢いが止まらないようにしっかりと全員で準備して勝ち点3を取りたい」と、昨季まで率いた大分と対戦するルヴァン杯第2節(3月2日)に向けて調整を進めていく。

(取材・文　折戸岳彦)

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