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高校2年生で内定し、1年早く体感したJの難しさ。ゴール量産中の昌平高MF荒井悠汰は挑戦続けてFC東京でチャンス掴む

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FC東京内定の昌平高MF荒井悠汰は厳しい競争を勝ち抜いてチャンスを掴む

 高校2年生の2月に内定し、特別指定選手に。Jリーガーとしてトレーニングでアピールすること、試合に出ることの難しさを高校生のうちに体感できたことは大きい。

 FC東京内定の昌平高MF荒井悠汰(3年=FC LAVIDA出身)が27日、チームメートの鹿島アントラーズ内定CB津久井佳祐(3年)とともに「昌平高等学校サッカー部 J リーグ加入内定選手合同記者会見」に出席。FC東京での活躍を誓ったが、それを実現することが簡単なことではないことを本人は理解している。

 荒井は今年、キャンプから約2か月半の期間、FC東京に帯同し、ルヴァンカップでトップチームデビューも果たしている。3試合に出場したルヴァンカップでは、得意のドリブルで果敢にチャレンジ。トップチームの公式戦を経験できたことはもちろんだが、吉本一謙スカウトは公式戦のピッチに立つまでの過程を経験できたことを評価していた。

「最初は紅白戦にも入れないで、キャンプの時はピッチの外でやっている時もありましたけれども、結果を残して、一気にルヴァン出るまでに掴んで行ったし、リーグ戦の(帯同)メンバーにも入ったので。一つずつ階段を上る過程を経験できたので、選手にとって大きいことだと思います」

 U-18日本代表、U-19日本代表候補にも選出されている荒井は、強さと巧さを兼ね備えた世代屈指のドリブラー。注目ルーキーとして来季を迎えるが、他の選手たち同様、J1で優勝を目指すクラブの厳しいポジション争いを勝ち抜かなければピッチに立つことはできない。

 吉本スカウトは、「正直に本人とも話していますけれども、J1で優勝を目指していくチームでポジション争いに勝って、なおかつ守って行くことは難しいから。そのためにはしっかりやり続けていくことだったりが大事」。荒井が主戦場とする右サイドは今季リーグ戦10得点のMFアダイウトンやMF渡邊凌磨、MF紺野和也といった実力者たちがプレー。今年も彼らと競争したが、リーグ戦で出番を勝ち取ることはできなかった。

 高校や大学で主力として活躍した選手が入団1年目にぶつかるプロの壁。荒井は今年、シーズンを通してFC東京で活動してきた訳ではない。それでも、吉本スカウトは「高校3年生で(プロの日常を)経験して、良ければ上がって、上がってというところを通れたのは大きいと僕は思っている。その繰り返しなので、選手って」。FC東京にとって、高体連所属選手が高校2年生でプロ内定したのは荒井が初めて。クラブ、昌平の協力の下、FC東京に長期間帯同し、強度の高いトレーニング、日常を体感した。試合に出られない悔しさ、出ることの難しさを知った上でプロ入りできることは荒井にとって大きなメリットになる。

 荒井は「(現状は)不安の方が大きいです。まだまだだと思うので、もっと課題に取り組まないといけない」と素直に明かす。ただし、FC東京で感じた課題に昌平の練習、自主練で取り組み、利き足と逆の右足のクロスやダイレクトのパス、動き出しを改善してきている。

 昌平はプリンスリーグ関東1部で現在、首位を快走。荒井は2試合連続2得点中だ。今季は怪我の影響で出場時間を限られた試合もあったが、ハイレベルなリーグ戦で得点ランキング首位の9得点をマークしている。

 吉本スカウトは「オフの動きは昌平高校でやり続けて能動的に動けるように、呼び込めるようになって、そうやって点を獲るところに繋がってきている」と分析。本人も「調子悪くても点を獲ることはできているのかなと思っています」と成長を実感していた。

 来季は高卒1年目であり、“FC東京2年目”のシーズン。吉本スカウトは「まずはしっかり結果を出して(ベンチ入りの)18に入ってくる選手になって欲しい。そうすればチャンスは絶対増えるし、そういうところに入ってくれたらチームの戦力にもなる」と求め、「個の力はポテンシャルを持っていると思う。チームで結果を出して、それが一番の代表や世界への近道だと思う。世界へ羽ばたいて行って欲しい」と期待を口にした。

 FC東京U-18から加入する4選手や先輩Jリーガーたちと切磋琢磨し、厳しい壁を乗り越えることができるか。荒井は来季へ向けて、「まずはいち早く試合に出て、『スタジアムにまた来たい』と思ってもらえるような選手になりたいです。練習でアピールしないと(出番は)勝ち取れない。キャンプから意識してやっていきたい。(公式戦で)ゴール決めたいですね」と宣言。チャレンジする姿勢も評価されているレフティーは積極的にドリブルで仕掛け、結果を残して、チーム、サポーターからの信頼を勝ち取る。

昌平高からFC東京へ加入するMF荒井悠汰(右)とFC東京・吉本一謙スカウトががっちり握手

(取材・文 吉田太郎)
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