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ついに磐田で主力定着…昌平出身7年目のMF針谷岳晃「もっと違いを出しながらより高いレベルを」

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ジュビロ磐田MF針谷岳晃

[3.11 J2第4節 大宮 1-0 磐田 NACK]

 ジュビロ磐田では今季、昌平高出身のMF針谷岳晃がプロ7年目でついに主力定着を果たしている。開幕節から4試合連続で先発出場し、ここ3試合は日本サッカー界のレジェンドMF遠藤保仁とのダブルボランチを形成。ともに攻撃に強みを持つ異色のコンビだが、横内昭展監督は「守備に関してどうこういうことはない。逆に攻撃の良さをもっともっと引き出したい」と期待の起用を続けている。

 針谷は2017年、広島入りした同期のMF松本泰志とともに昌平高から史上初のJリーガーとして磐田に加入。ところが加入後はなかなか出番を得られず、3年目の19年にようやくJ1デビューを果たしたものの、翌年夏からギラヴァンツ北九州に期限付き移籍し、そこからは2年半にわたってJ2・J3のカテゴリで戦ってきた。

 それでも今季は磐田が選手の新規登録禁止処分を受けたことにより、レンタルバックで磐田に復帰。東京五輪世代を指揮していた横内新監督のもと、ボランチの一角で定位置を獲得している。

 かねてよりゲームメークのセンスは高い評価を受けていたが、成長したのはボールを持っていない時の振る舞いだ。針谷自身も「昨年あたりからだいぶボールも取れるようになって、そこでは自信もついたし、練習試合やプレシーズンで球際でボールを取りに行くシーンが増えた」「スプリント数よりは強度の高いランニングをしていきたい。常に動いて守備に穴を開けないように、スライドがメインだけど頑張れているのかなと思う」と球際の強度、運動量ともに手応えを感じているという。

 そうした点は横内監督の目にも前向きに映っていた。この日の記者会見では針谷と遠藤のダブルボランチの守備強度に話が及んだが、指揮官は「二人とも守備のタスクは求めている。強度で言えばひょっとしたら一般的な選手より低いと見られているかもしれないが、練習から強度を見せてくれている」と強調。攻守の切り替えや球際の強度が求められるスタイルの中、起用基準を満たしているという見解を示した。

 もっとも針谷自身はその水準に満足していない。「守備強度はまだまだ足りないし、球際で強く行く意識はしているけど、それでも負けるシーンがある」。得意の攻撃でも「問題なくやれている」と及第点の自己評価を下しつつ、「もっと違いを出しながら、より高いレベルを目指してやっていければ」と成長意欲を見せた。

 また何より、結果へのこだわりも忘れない。この日は大宮相手に優勢を保ちながら、針谷の交代後に数的不利となり、終盤の失点で0-1の敗戦。「今年のリーグ戦では一番チャンスも作れたと思うし、前半からいいリズムでやれていたので、なおさら点だけが遠かったという印象」。そう振り返った針谷は自らが放ったシュート3本を振り返り、「今日は打つシーンが多かったし、結果という部分で残せていないので、もっともっと練習していかないといけない」と反省点も語った。

 結果の追求といった面では、1週間後にこれ以上ない一戦が控えている。磐田は18日、ホームでの静岡ダービーで清水と対戦。針谷は「絶対に負けられない。まずはしっかり疲労を取って、来週からまたコンディションを作りたい。僕自身はキャンプでやられているし、やり返す気持ちは強いので、しっかり準備してやっていけたら」。鹿児島キャンプの対戦では1-3で敗戦。しかし、大事なリーグ戦でリベンジを果たしていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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