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先制点演出も逆転負けに広島MF川村拓夢「僕がやりたいプレーを伊藤選手にやられた」日本代表としての“気負い”も

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MF川村拓夢

[5.31 J1第11節延期分 浦和 2-1 広島 埼玉]

 厳しい連戦の中をこの日も90分間走り抜いたが、求めた結果には届かなかった。

 サンフレッチェ広島のMF川村拓夢は終盤の逆転負けに「60分くらいまでは背後を常に狙えていて、自分たちが良いときは背後を狙えていたし、守備でもプレスがハマっていたけど、失点する前から押された中で跳ね返す回数が少なくなった。押し込んだ時の浦和さんはすごく迫力があるので、自分たちのサッカーが自分ができなくなった」と振り返った。

 日本代表に初招集され、注目が集まっている中での上位対決。スタンドでは森保一監督も戦況を見つめる中、まずはシャドーの一角で確かなアピールに成功した。

 0-0で迎えた後半5分、MF野津田岳人の縦パスを合図に勢いよく走り出すと、FWドウグラス・ヴィエイラのフリックを受け、ゴール前までドリブルで打開。最後の最後まで駆け引きしながら繰り出したシュートはGK西川周作のファインセーブに阻まれたが、跳ね返りをMF森島司がねじ込み、先制点を演出する形となった。

「野津田選手があそこで前に当てるのはわかっていたので、そこで相手より早くポジションを取ることを意識したし、ドウグラスがうまく落としてくれたので、シュートまで持ち込めてよかった」。日本代表監督の来場は「知らなかった」というが、攻守の切り替えを重んじる指揮官にも響いたであろうビッグプレーだった。

 もっとも、その後は一列下がったボランチを託された中、連戦の疲労もあってか足が重く、オープンな展開に苦しむ場面が増加。後半28分には自身がマークについていたDF酒井宏樹}}に背後を使われ、同点ゴールを献上した。

 またマッチアップ相手のMF伊藤敦樹に制される場面も続き、最後はその伊藤のゴールに屈した。「伊藤選手は最後のゴールもそうだけど、あそこに入っていくのができる。僕の力負けだった」。そう振り返った川村は「代表に選ばれた中でどうしても気負いすぎているというか、最近自分のプレーができなくなっている。その中で僕がやりたいプレーを伊藤選手にやられてしまった」と悔やんだ。

 とはいえ、そうした気負いは日本代表選手の特権でもある。今回は欧州組スケジュールの都合により、代表発表から合流まで約3週間と長い。警戒され続ける中での試合には難しさもあるだろうが、乗り越える時間も十分に残されていると言える。「1失点目もそうだけど、僕に足りていないところが試合に出てしまっているので、そこを潰さないともう代表に選ばれないと思うのでやっていきたい」。いまが正念場だ。

(取材・文 竹内達也)
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