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絶妙スルーパスで決勝弾演出! JFL4年間経て欧州強豪に挑む横浜FM榊原彗悟「良さを出しつつ楽しみたい」

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横浜F・マリノスMF榊原彗悟

[7.19 国際親善試合 横浜FM 6-4 セルティック 日産ス]

 3-3で迎えた後半21分、横浜F・マリノスの決勝ゴールは投入されたばかりだったMF榊原彗悟のスルーパスから生まれた。

 横パスを受けた時点で、DF實藤友紀が走り出す姿は視界に捉えていた。「サネくんの動き出しが見えたし、ああやってスルーパスを出すところも自分の良さの一つなので」。かすかに浮かせることで、芝生に勢いを削がれずに繰り出されたボールにGKもなすすべなし。ゴール前で實藤が華麗につつき、打ち合いの均衡を破る4点目が生まれた。

 榊原は後半18分の投入直後にも、ハイプレスからゴール前での絶好機を演出するなど、限られた出場時間で存在感をアピール。「守備はとにかく前からハメていこうという話で、前から行けてチャンスも作れた。攻撃はいつも通り、どんどんボールを受けてやっていこうと思っていた」。スコットランド王者を相手に手応えの残る一戦となった。

 今季から横浜FMに加わり、ここまでJ1リーグ戦の出場機会はゼロ。だが、ルヴァン杯や天皇杯を通じて良い感触でプレーする様子は着実に見せている。榊原自身も「スピード感には慣れてきて、自分の良さをたくさん出せるようになってきた自信も最近はついている。練習から出せてきていると思うので、これからも続けていきたい」と手応えを口にする。

 ならば出番争いの壁が高くても、チャンスが巡ってくるまで続けるのみだ。「もちろんリーグ戦に絡んでいきたい気持ちは強いけど、やれることは目の前の練習から与えられたチャンスの中で結果を出すことが必要。地道にでも上に進んでいければ」と虎視眈々とアピールを続けていく構えを見せた。

 また23日には明治安田Jリーグワールドチャレンジ2023でマンチェスター・シティとの対戦を控えており、榊原にとっては貴重なアピールの機会。とくに昨季までの4年間、JFLのラインメール青森でプレーしていたことを考えると、なかなか想像し得なかったようなマッチアップのチャンスが巡ってくる。

「昨年までJFLという舞台でやっていた自分が世界を相手にできるのは人生、何が起きるかわからないなと思うけど、それも自分が地道にやってきた結果だと思う。出る機会があれば自分の良さを出しつつ楽しみたい」。アカデミー育ちの22歳は地に足をつけて、それでも果敢に欧州王者に挑む。

(取材・文 竹内達也)
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