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正GK負傷で緊急出場の横浜FM飯倉大樹「割り切って無失点に抑えることだけを考えていた」

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横浜F・マリノスGK飯倉大樹

[8.6 J1第22節 浦和 0-0 横浜FM 埼玉]

 アクシデントによる緊急出場を冷静に務め上げた。横浜F・マリノスGK飯倉大樹は後半31分、相手選手との交錯で負傷したGK一森純との交代で途中出場。ウォーミングアップもそこそこにピッチに飛び出す形となったが、無失点リレーをしっかりと受け継いだ。

 一森が負傷した時点ではウォーミングアップのペースを上げるでもなく、ベンチにどっしりと構えていた飯倉。「打撲だろうなと思ったからできるだろうと思った」といい、自身に役目が巡ってくるとは考えていなかったようだ。

 それでも一森はいったんプレーを継続した後、再び倒れ込んで担架でピッチ外へ。今度こそ飯倉にお呼びがかかり、一森が契約の関係で出られなかった5月20日のG大阪戦以来2か月半ぶりとなるJ1リーグ戦出場を迎えた。

 ピッチに入る際には「割り切って無失点に抑えることだけを考えていた」と飯倉。ペナルティエリア外まで果敢に飛び出して行く持ち前の姿勢は自重し、一般的なGKの役目にフォーカスしていた。

 その結果、出場直後こそピンチが相次ぎ、ヒヤリとする場面があったものの、徐々にチームが攻勢に転じてピンチも減少。0-0のまま試合を締め、「今日の俺の任務は無失点で終わらせることだけ。それが遂行できたからラッキーだなと思う」と軽やかに振り返った。

 なお、この日は2011年8月4日に亡くなった故・松田直樹氏の命日に近いこともあり、サポーターからは「ミスターマリノス松田直樹 これまでも これからも共に」という横断幕が掲げられていた。

 松田氏と共に長年プレーした経験のある飯倉は「(水沼)宏太と試合前にマツさん見に来てるかなって話してて、一番最初の決定機を相手が外したところで、『マツさん来てるなって、今日勝ったな』って笑いながら話していた」とベンチでのエピソードを明かしつつ、「マリノスに帰って来れて、こういうふうにマツさんのユニフォームを掲げて、そこまで思い出話に浸ることはないけど、いろんな歴史があって今の俺たちがあることを忘れちゃいけない。そういうのを背負うという大した人間ではないけど、いろんなものをみんなで積み重ねていくのが大事だと思う」と松田氏が築いた歴史に思いを寄せていた。

(取材・文 竹内達也)
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