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J王者に敗れはしたが…守備で奮闘見せたFC東京の“パリ五輪世代”守備陣、DF木村誠二とGK野澤大志ブランドン

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DF木村誠二とGK野澤大志ブランドン

[8.19 J1第24節 横浜FM 2-1 FC東京 日産ス]

 J屈指の攻撃力を誇る王者に立ち向かった。FC東京横浜F・マリノスに敗れはしたものの、若手守備陣が奮闘。3試合連続出場のGK野澤大志ブランドンと、13試合ぶりに今季2度目の出場となったDF木村誠二が何度もピンチをしのいでみせた。

 ともに2024年のパリ五輪出場を目指すU-22日本代表世代。野澤は前々節・セレッソ大阪戦でJ1デビューを果たすと、2試合連続で完封を達成していた。前節・京都サンガF.C.戦後には「横浜F・マリノスとヴィッセル神戸と続く。もしチャンスを頂けるなら、経験できるならうれしい」と意欲を見せる。そして今節、正守護神ヤクブ・スウォビィクが復帰した後でも出番を掴んでみせた。

 野澤は前半12分、二度のピンチを果敢な飛び出しで防いでみせる。しかし三度目の攻撃を防ぎきれず、J1リーグで初失点。その後は冷静な守備が光った。前節の試合後に挙げていたクロスへの対応は今節で改善。鋭い弾道のクロスに対し、思い切りの良いパンチングで跳ね返す。後半アディショナルタイムには相手のスーパーゴールを浴びたが、目を見張る集中力を見せ続けた。

「良くも悪くも日々考えながら、悩みながら、練習で納得できなくて終わる日もあった。だけど練習の中でも表現するということをすごく大切にしている。いまチームで求められていることは、アグレッシブだったりクイックネス。そこをもっと練習で追求していきたい」と前節・京都戦後には日常で意識していることを説いていた。直近3試合でもたしかな成長を見せた守護神は、次節・神戸戦での活躍にも期待が懸かる。

 木村は5月3日のJ1第11節・アビスパ福岡戦以来となる出場だった。DFエンリケ・トレヴィザンの出場停止により手にした先発の座。それでも冷静に横浜FMのエースFWアンデルソン・ロペスやMF西村拓真を封じてみせた。

 後半6分にはA・ロペスにゴールを脅かされた。だが、木村が体を張ってボールの動きを止める。その隙に守備陣が囲い、ピンチを脱した。「森重さんや(長友)佑都さんと、潰しに行ったらカバーに入ってもらうと話していた。うまく周りと連係して、自分の潰しのところの良さを少し出せた」。結果的に2失点は喫しており、「負けてるんで自信になるかと言われたら別にそうじゃない」と謙虚。だが、「全くやれなかったなと思うわけでもない。コンディションをうまく保てばまたチャンスが来たときに今日以上のプレーは出せる。そこは続けてがんばりたい」と自信を垣間見せた。

 9月にはパリ五輪の一次予選となるU23アジアカップ カタール2024予選が控えている。U-22日本代表の大岩剛監督は招集するポイントについて、直近で活躍を残したという意味での“旬な選手”というキーワードをこれまで挙げていた。

 木村はU-22日本代表の常連として、そして野澤はU-22日本代表候補からのメンバー入りのために“旬な選手”を目指す。野澤は前節の試合後、パリ五輪について「もちろん目先の目標」と意識しつつ、「いまは目の前のことに集中している」と自身の成長に目を向けていた。木村も横浜FM戦後に「代表のスタッフへのアピールとしては、やっぱり公式戦で出ることが大事」と強調する。チーム内でのポジション争いを制すること、そしてチームを勝たせること。高いレベルのチームで達成できれば、代表入りに大きく近づくはずだ。

(取材・文 石川祐介)
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