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「柏の血が流れているので」水戸MF鵜木郁哉が“ほぼダービー”で豪快先制弾! フクアリは思い出の地

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MF鵜木郁哉(写真右)

[10.8 J2第38節 千葉 1-1 水戸 フクアリ]

 舞台はフクダ電子アリーナ。この地に人並み以上の思い入れを持つ水戸ホーリーホックMF鵜木郁哉がスーパーゴールで爪痕を残した。「個人的には気持ちが“ほぼダービー”だったので気持ちが高ぶっていた」。あふれる思いを右足に乗せ、強烈なドライブシュートを叩き込んだ。

 0-0で迎えた前半23分、水戸は立ち上がりから機能していたハイプレスから先制点を奪った。

 相手ゴールキックをDF後藤田亘輝がカットし、素早い縦パスを鵜木が受けると、「受けた瞬間にフリーだったので前を向いて、一発目なので振ってやろう」と果敢に右足一閃。「GKの上から落とすような感じで。ああいうシュートは得意なので」。縦回転気味に落ちる軌道でファーポスト際に突き刺した。

 鵜木にとってフクアリは幼少期に自前のフラッグを持って通い、ピッチに立ったこともあるスタジアム。もっとも小学生時代からは柏レイソルのアカデミーに入ったことで、千葉とは県内のライバルとして対峙してきた。いまも所属元は柏のため「柏の血が流れているので、今はもちろん敵です」と笑顔で言い切るが、思い入れのあるスタジアムでのゴールは感慨があったという。

「小学生の時からジェフさんは柏より家が近かったのでよく見に来ていたし、ここでプレーする機会が何回かあって、すごく思い入れがあった。嫌いとかじゃなくリスペクトを持って、ダービーで戦うという気持ちが強かった。個人としても思い入れのあるスタジアムで、思い入れのあるチームに点を決めることができて良かった」(鵜木)

 もっとも幸先の良い結果を出した鵜木だったが、直後のアクシデントにより、厳しい対応を迫られる形となった。FW安藤瑞季が得点後の再開シーンを巡り、2枚目のイエローカードで退場処分を下されると、前半39分に鵜木の右サイドを崩されて失点。チームはハーフタイムに4-4-1から5-3-1にシステム変更したことで、途中交代を強いられた。

 鵜木は後半を無失点に抑えたチームの奮闘ぶりを「やられる気はしなかったし、チーム全体でまとまって、ラインコントロールも完璧だった。プレスバックもサボっている選手が一人もいなかった。10人でいいプレーはできていたと思う。ベンチから見ていて本当に良かったなと思う」と素直に称えた一方、勝ち点1の結果には「ダービーとしては悔しい」と思いを口にした。

 とはいえこれで今季5ゴール目。柏U-18からのトップチーム昇格後、4年間はリーグ戦のゴールがなかった鵜木にとって、手応えのあるシーズンになっているのは間違いない。これからはその実績をさらに積み上げていくのみだ。「今日決めたようなゴールはもっと増やせるし、クロスも得意なので、縦に行ってクロスという形で数字での結果を出していきたい」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)
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竹内達也
Text by 竹内達也

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