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浦和で“SBを極める”渡邊凌磨がホーム初白星導く新天地初ゴール「前半のミスを取り返したい一心で…」

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浦和レッズDF渡邊凌磨が初ゴール

[3.30 J1第5節 浦和 2-1 福岡 埼玉]

 0-1で迎えたハーフタイム明けから猛攻を仕掛けた浦和レッズは後半20分、鮮やかなクロス攻撃から同点ゴールを奪った。決めたのは今季FC東京から加入したDF渡邊凌磨。新天地で本格挑戦中の左サイドバックから左サイドハーフにポジションを上げた直後、元アタッカーのゴールセンスを活かしてニアポスト脇に押し込んだ。

 ゴールは右サイドを攻め上がったDF酒井宏樹からのクロスに対し、ファーサイドに飛び込んだ形。酒井によると、FWチアゴ・サンタナを狙って蹴ったボールが大きく流れた形だったが、渡邊は相手DFよりも早く落下点を見極めていた。

「SBの時もずっと前に行こうと思っていた、宏樹くんからボールが入ってくる時には中にいたかったのでずっとあのポジションを取っていた。相手のGKもCBもかぶったような形になって、ゴールが見えていたので流し込むだけだった」(渡邊)

 ゴールから6分前の後半14分、浦和はMF大久保智明に代わってDF大畑歩夢が投入され、直後はそのまま左SBを務めていた渡邊だが、ボールが切れたタイミングで左サイドハーフへ。高いスタートポジションを活かし、SBの位置で思い描いていた狙いどころに飛び込んだことが結果に繋がった。

 渡邊にとってはこれが嬉しい加入後初ゴール。ただ、汚名返上のゴールでもあった。前半28分、渡邊は相手のパスコースに入ってカウンター対応を試みたが、ボールに足がつかずに後逸。このプレーが先制ゴールを献上した大きな要因となっていた。

「前半のミスを取り返したい一心で、前半からなるべくゴール前に入っていたいと思って走っていたのが結果につながった。あれでプラマイゼロというか、引き分けとかだったらたぶん自分のことを責めていたんじゃないかなと思うので、勝てたのでよかった」。そう振り返った渡邊は「ほっとした気持ちが一番強い」と苦笑い気味に心境を語った。

 ただ、ミスからの気持ちの切り替えはできていた。「今までやっていたポジションじゃないSBに入っているからこそ、一つのミスで落ち込まないというか、メンタル的に安定したのも一つの理由。ああいうミスはもちろんダメだけど、守備で1対1でやられたり、クロスにかぶって入れられるよりいいと思ってプレーできていた。それがいい結果に結びついた」

 浦和では左SBでの起用が続く中、「SBを極めようと思っている」という渡邊。「守備で数的優位を作られる時のことも取り組んでいかないといけない。ゴールキックのロングボールでヘディングの競り合いで負けないとか、初歩的な部分、必要な部分をまだまだ取り組んでいかないといけない」と守備の向上にも目を向けるが、「攻撃の選手だったんだからやらないダメだよねというマインド」という攻撃面で結果を出したのは大きな後押しになりそうだ。

 そうした掴んだホーム初勝利という結果、そして試合後に味わった光景には喜びも口にした。「率直にすごく嬉しいし、ああやって最後にみんなでWe are Diamondsを歌ったり、今までやってきたことを思い出す数分間だった」。自身のパフォーマンスには「全然満足していない」と気を引き締めるが、初ゴールもホーム初勝利も大きな一歩。「このチームで上に行きたい思いが強い。次節も絶対に負けられない戦いがあるし、そういうのも含めて1試合1試合やっていければ」とさらなる成長を続けていくつもりだ。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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