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[PSM]新戦力8人を起用、新生・千葉がJ1王者相手に惜敗も手応え

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[2.26 ちばぎんカップ 千葉0-1柏 フクアリ]

 敗戦にも手応えをつかんだ。木山隆之新監督を迎えたジェフユナイテッド千葉は、3月4日のJ2開幕戦・山形戦を1週間後に控えた最後のテストマッチで先発、途中出場を合わせて8人の新戦力を起用。昨季のJ1王者・柏から何度もチャンスをつくったが、決定力を欠き、0-1で惜敗した。

「チャンスをつくれたし、前半も後半も自分たちの時間をつくれた。結果は悔しいけど、下を向く内容じゃない。今年やろうとしているサッカーはできた」。主将を務めるMF佐藤勇人は試合全体を通して、そう振り返った。

 204cmの長身FWオーロイをターゲットにロングボール主体で攻撃を組み立てた昨季の千葉はオーロイの負傷離脱後、急失速。J2で6位に終わり、2年連続でJ1昇格を逃した。「今年は自分たちからアクションを起こすサッカー。ボールを動かしながら、守備も前からいくのか、ブロックをつくるのか、試合の中で自分たちでコントロールする」(佐藤勇)と大きくサッカーを転換した。

 昨季、右膝前十字靭帯部分損傷の重傷を負い、終盤戦に復帰したオーロイは右膝をかばってプレーしてきた影響で別の個所を複数痛め、キャンプも別メニューで調整。いまだ合流を果たせていない。それでも、“脱オーロイ”を掲げ、オフに獲得したFW藤田祥史、FW荒田智之がこの日は精力的にプレー。前線で体を張り、起点となった藤田に、その藤田に代わって途中出場した荒田も決定機を演出した。

 決定力という課題は残したものの、ボランチに左右のサイドハーフも務めたMF兵働昭弘、DFラインを統率したDF山口智と新戦力が奮闘。DF武田英二郎は失点につながるミスを犯したが、後半途中からはMF佐藤健太郎、DF大岩一貴、MF田中佑昌と次々と新加入選手を投入していった。

 木山監督は「目の前の試合に勝ちたいし、勝とうと話していたが、開幕前最後の試合ということで、試したい選手もいた。あくまで一番大事な開幕戦の前の最後の試合ということで、今トライしていることに大胆にトライした」と説明。「負けたことは残念だが、選手はよくやっていた。チャンスをつくる回数も多かったし、その点では手応えを感じている」と収穫を口にした。

 選手の顔触れも大きく変わり、チームとしての完成度はまだ低くても、可能性は感じさせた。山口は「いい対応もあれば、悪い対応もあった。この時期にこういうチームとこういう場で試合ができたのは自分たちにとって大きい」と話し、兵働も「連係がスムーズになればチャンスになるなっていうのは試合中も感じた」と手応えを感じている。

 あとはこれを本番で結果につなげていくだけだ。佐藤勇は「チャンスはつくれていた。そこを決め切れるかどうか。J2が苦しい戦いというのはこの2年間感じている。毎試合毎試合、勝ち点3を取るために1週間しっかり準備していきたい」と、“3度目の正直”となるJ1復帰を誓っていた。

(取材・文 西山紘平)

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