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痛恨ハンドのPK献上は「0.5秒で悟った」、浦和DF荻原拓也は悔しさ飲み込み次戦へ「チームを勝たせたい。その責任がある」

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DF荻原拓也

[10.11 ルヴァン杯準決勝第1戦 横浜FM 1-0 浦和 日産ス]

 痛恨のPK献上にも、下を向かなかった。浦和レッズDF荻原拓也は後半14分に自陣内でハンド。相手に与えたPKを決められ、この試合を落とした。「PKを献上してしまったことは事実。常に自分がチームを勝たせたいと思いながらプレーをしているし、それを強くホームでも出していきたい。その責任がある」と埼玉スタジアム2002で行われる第2戦に目を向けた。

 均衡が崩れた瞬間だった。前半をスコアレスで折り返すと、後半14分に横浜FMの攻撃を食らう。FWエウベルのクロスがFWヤン・マテウスの方向に飛んだところに、荻原がカバーに入る。しかしボールが手に当たり、ハンドでPK献上となった。「自分の準備も悪かった。0.5秒で悟った」。FWアンデルソン・ロペスにPKを仕留められ、その得点が相手の決勝点となった。

 与えてしまったものは戻らず、それを気にしてもしょうがない。荻原はその後、さらに積極的に攻撃を仕掛ける。「取り返そうというマインドになっていた」と奮闘。後半31分には左サイドから鋭いクロス。だが味方がゴール前で相手と交錯して合わせることはできず、同点ゴールとはならなかった。

 7年ぶり決勝への距離が少しだけ遠のいた。それでもチームの姿勢は変わらず、全員が気持ちを切り替えている。ロッカールームで仲間たちが見せた前向きな姿勢に、荻原も「助けられたところがある。だからネガティブな感じではない」と力を込める。

 MF早川隼平の負傷、DF酒井宏樹の退場、MF伊藤敦樹の代表招集による不在など、不安材料は多い。囲み取材では浦和の劣勢を指摘する声も挙がったが、荻原は「それはちょっと違和感しかない」と語気を強める。「いちスポーツとして、より面白みが増すような前半を終えた状況」と表現した。

 ハンドのシーンが目立ちはするが、それ以外は自他ともに認めるほど切れ味は増している。「入ってもおかしくないようなシーンは作れた。成長を感じられた試合だった。もっと成長してチームに還元したい。荻原が勝たせた試合というのを作りたい。それが次のホームになればいいと思います」。悔しさを噛み締めながら、次戦での雪辱に誰よりも燃えている。

(取材・文 石川祐介)
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石川祐介
Text by 石川祐介

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