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フラッシュインタビューの涙は「ちょちょぎれました」浦和DF荻原拓也は“幻弾”含む3ゴール演出

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DF荻原拓也

[10.15 ルヴァン杯準決勝第2戦 浦和 2-0 横浜FM 埼玉]

 試合後のフラッシュインタビューでは感極まって涙を流した。浦和レッズDF荻原拓也は2本のPK奪取につながるプレーで貢献。「(涙が)ちょちょぎれましたけど、(理由は)わからないです。まだこれからあと一個勝たないと意味がない。ただ、自分の中で強い気持ちを持ってプレーをしていたので、それがちょちょぎれる要因だったかなと思います」と心境を明かした。

 前半15分、幻のゴールを演出した。左サイドでロングパスを収めた荻原は敵陣PA内にクロスを入れる。FWホセ・カンテからボールを受けたMF早川隼平がゴールネットを揺らすが、オフサイドの判定でノーゴールとなった。それでも荻原は「幻のゴールもしっかりと攻撃参加をして起点になれた」と手応え。さらに攻勢を強め、チャンスを作っていく。

 前半をスコアレスで折り返したが、荻原が後半16分に再び躍動する。MF小泉佳穂のパスに反応し、PA左に進入。「体勢が流れちゃってとりあえずファーにチップ気味に」蹴ったボールはGK一森純にはじかれる。ファーサイドでこぼれ球を拾った早川がファウルを受け、PKを獲得した。DFアレクサンダー・ショルツが決め、1-0と先制。2試合合計1-1と同点に追いついた。

 そして後半43分には、荻原のクロスが相手のハンドを誘発。「中は見ていなかったですけど、感覚でチップ気味に上げたら相手の手に当たった」。その場で当たっていたことは確認できていた荻原だが、プレーは止まらずに続行。しかし相手にボールが渡ったところで主審がプレーを止める。「相手のカウンター中にプレーが止まったのでほぼ確定演出。PKだなと思いました」と荻原はその場面を振り返った。

 荻原が取ったPKをショルツが再び決め、2-0で2試合合計も2-1と逆転。ホームの雰囲気は最高潮に達し、そして荻原の涙腺も緩んだという。「スタジアム全体が作り出す雰囲気にうるっときましたね。全然試合が終わっていないのに。気持ちが高ぶってきた」。サポーターの声援を背に受け、7年ぶりの決勝進出を果たした。

 第1戦では自身のハンドでPKを献上し、それが相手の決勝点にもなった。荻原は「その責任は感じていた」と口にしつつも、それ以上に感じていたのは「(プレー自体は)けっして悪くなかったという感覚」。第2戦を心待ちにしており、「そういうマインドで戦えたことが、一つひとつ思い切りのあるプレーにつなげられた」と振り返った。

 シーズン終盤とはいえ、自身のプレーもチームの状態も好調を維持。たしかな手応えとともに、リーグ戦とルヴァン杯でのタイトル奪取を誓う。「リーグでもああいう景色が見たいし、優勝したい。まだタイトルも取れていないので、一試合一試合大切に戦うだけですね。楽しみたいです」。右肩上がりに進んだシーズンを、最高の形で締めくくるつもりだ。

(取材・文 石川祐介)
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石川祐介
Text by 石川祐介

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