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「小さい子でもやっていけるのが静学だと思う」152cmMF宮所眞央の可能性

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[8.16 全国中学校サッカーフェスティバル 青森山田中6-1静岡学園中]

 チームとしての完成度、特にフィジカルの差は誰の目にも明らかなほどにあった。しかし静岡学園中は現在の結果ではなく、未来に目を向けている。

「近いところでかわせるように、ダメだったらもっと練習しようよというだけの話だと思います。あとは大人になるにつれて、ある程度、筋力や体力は追いついていく。だから今のうちに技術を磨いて、最終的に高校くらいになって、パワーとかスピードが追いついたときにどうなるかという勝負をしてほしい」

 1-6で大敗した試合後だったが、岡島弘高監督は結果に固執することは一切なかった。

 チームでもひと際小さい152cmのMF宮所眞央の奮闘が光っていた。相手は180cm近い、すでに“大人の体”を持つ選手たちがずらりと並んでいたが、そこは同じ中学生。強い気持ちを持って果敢に仕掛け続け、60分フルタイムを走り抜いた。

 背番号16が駆け回った姿に、岡島監督も目を細める。「小さい子でもやっていけるのが静学だと思う。たぶん他のチームに行っていたら使ってもらえていないのではないでしょうか。技術を磨いたらサッカーって誰でも楽しめるんだよということを味わってもらいたいと思っています」。

 ただ体が成長することに越したことはなく、宮所も山盛りご飯を毎日食べるようにして体を大きくする努力をしているという。

「今はなるべく相手に当たらないように、相手のいないところにポジションを取ったり、そこで受けたりできるように意識してプレーしています。小さい人で活躍している選手はみんな目標。もっとゴール前でチャンスメイクしたり、点を決められるような選手になっていきたいです」

 昨冬、高校選手権で24年ぶりに日本一となり、再び脚光を浴びている静学サッカー。その象徴的な選手になるべく、貪欲に成長を続けていく。

(取材・文 児玉幸洋)

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