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[全中]中高一貫の私立全盛の時代にキラリ!藤沢市立鵠沼中が私立校3連破でベスト4「絶対に明日も勝ちます」

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PK戦で2本を止めたGK木村俊貴

[8.22 全中準々決勝 鵠沼中2-2(PK6-5)京都精華学園中 県総合運動公園サッカー場]

 全国的に中高一貫で強化を図る私立校が注目されている時代だからこそ、価値が増す。神奈川県の公立校、藤沢市立鵠沼中が初のベスト4へと勝ち上がった。

 部員53人で活動する街の中学校の部活だが、近年、高体連サッカーでよく聞く名前になっている。全中には2017年度の初出場以降、今大会で4度目の出場。昨年の大津高(熊本)の主将で、日本高校選抜でも活躍したFW小林俊瑛(現筑波大)の出身校だ。

 ただ今大会の快進撃は目を引くものがある。1回戦で近大附中(大阪)に2-0で勝利すると、2回戦では昨年度優勝校の浜松開誠館中を破って勝ち上がってきた修徳中(東京)を1-1から突入したPK戦の末に撃破。

 そして3回戦では、昨年度準優勝の静岡学園を破った京都精華学園中(京都)にもPK戦勝利と、私立校を3連破。平成28年度の周南市立周陽中(山口)以来となる公立校のベスト4進出を果たした。

 連日のヒーローとなったのは、GK木村俊貴(3年)だ。この日も「自信がある」というPK戦に臨むと、止めなければ負けという絶体絶命の場面で、京都精華学園中の5人目を右に飛んでストップ。そして止めれば勝ちの7人目を左に飛んで止めて、歓喜の輪に飛び込んだ。

 PK戦の前にはコーチから「木村が2本を止める」という予言がされていたという。「自分が止めれば絶対に勝てると思っていた」と話した守護神も、「みんなも絶対に俺が止めると信じてくれていた。日々の積み重ねがあそこで出せたのかなと思います」とにこやかに話した。

 あと2つと頂点が見える位置まで来た。今季よりチームを率いている國賀健士朗監督は、「昨年度までの中村京平監督や、これまでの先生方が築き上げてこられたものを、今結果として残せている」とまずは感謝を口にすると、「神村学園さんにも最大限のリスペクトをもって、我々らしいサッカーをやっていければと思います」と明日の準決勝に目線を移す。

 選手も気合は十分だ。木村は「ベスト8の壁を超える目標でやってきたけど、そのもう一個上まで行けたことは本当に嬉しいし、明日も勝って決勝まで行きたい。絶対に明日も勝ちます」と力強く話していた。

(取材・文 児玉幸洋)
●第54回全国中学校サッカー大会特集ページ
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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