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[国体少年男子]養和ホットラインで先制点。惜敗の東京都MF薦田翔太「『代表が抜けても東京はやれるぞ』と見せたかった」

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前半35分、東京都MF薦田翔太(三菱養和SCユース、1年)が左足で先制点。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.4 国体少年男子準々決勝 東京都 1-2 神奈川県 下野市大松山運動公園 陸上競技場]

“養和ホットライン”で先制点を決めた。前半35分、東京都はカウンターから左SB楠本達彦(三菱養和SCユース、1年)がグラウンダーのラストパス。これをMF薦田翔太(三菱養和SCユース、1年)が左足ダイレクトでゴールへ流し込んだ。

「知久(陽輝)がボールを持った時にタツ(楠本)がオーバーラップしているのが見えて、いつもやっているので、タツとは。だから、どこに入っていけば良いとか、どういうボールが来るというのは何となくイメージできていて、ドンピシャのボールが来て当てるだけでした」(薦田)

 この日、東京は技術力の高い神奈川県に対し、やや重心を下げた戦い。各選手が集中しながら粘り強く守り、狙い通りの形から1点をもぎ取った。3枚の中盤の一角として攻守に奮闘した薦田も、「守備で苦しい時間が多い中、一発で流れ変えて前半はそのまま1-0で終えて良かった。前から行かず、ちょっと引きながら粘り強く、焦れずに戦うというプランだったんですけれども、自分の中ではよく走ってできたと思っています」と頷く。

 だが、チームは後半に2失点。薦田は試合終了間際、今大会好調だった左足で展開を変え、チャンスを演出した。だが、2点目を奪うことはできず、1-2で敗戦。U17アジアカップ予選出場中のU-16日本代表組がいない中でも優勝できることを証明したかったが、その夢は準々決勝で潰えた。

「(東京都選抜でともにプレーした)佐藤龍之介とか永野修都ととか代表に入っていて、自分もそこに一歩でも近づきたいと思っている。『代表が抜けても東京はやれるぞ』と見せたかったので悔しかったです。(代表入りするために自分は)キックが一番なんですけれども、粘り強い守備とか自分は走力も得意なので、そこはアピールしたかった」。

 東京の小野寺章監督(江戸川区立瑞江第三中)は「粘り強く、チームのために個々で頑張るチームだった。一人ひとりが粘り強く、忠実にやってくれました」と選手たちに感謝。薦田は、今後へ向けて「ここで(田所)莉旺たちから学べることは多かった。それを活かして養和でもクラブユースや高円宮(リーグ戦)でより上の成績を目指していきたいと思っています」と誓っていた。

 東京は今大会、大型ボランチのMF田所莉旺(川崎フロンターレU-18、1年)や運ぶ力や対人守備の強さを見せたCB川口和也(東京ヴェルディユース、1年)が存在感を放ち、高体連の選手も鋭い動きのFW平原健吉(成立学園高、2年)らが奮闘。自力の高さを示した東京の選手たちは逆転負けの悔しさを忘れず、所属チームでまた上を目指す。

(取材・文 吉田太郎)
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