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“国体ウォッチャー”森田記者が選ぶ「国体少年男子の部11傑」

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森田記者が「攻守両面で見せたプレーはMVP級と言える」と評した茨城県CB大川佑梧(鹿島アントラーズユース、1年)

 特別国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」サッカー競技少年男子の部は茨城県が49年ぶり2回目の優勝を飾りました。U-16年代の都道府県選抜チーム24チームが熱戦を繰り広げた国体少年男子の部。例年と同じく各地の国体ブロック予選に足を運び、本大会も取材をした“国体ウォッチャー”森田将義記者に、同大会で印象的なプレーを見せた11人を紹介してもらいます。

森田将義記者「U-16年代の日本一を争う国体少年男子の部は、世代の優秀な選手をまとめて見られる“見本市”の意味合いも持つ大会。次世代の日本代表候補を見つけるべく協会関係者が訪れるだけでなく、Jリーグのスカウトも多数訪れます。今年は世代別代表の経験を持つ選手たちが、持ち味を存分に発揮する印象はありましたが、今後一気に注目を集めそうな無印良品と言える選手も多数存在しました。可能性を秘めた選手がたくさんいる中から、上のステージでの活躍を期待したい選手をピックアップしました」

GKイシボウ拳(大阪府 セレッソ大阪U-18、1年)
GKの大型化が進んでいるとはいえ、194cmの高身長はなかなかいない。スラリと伸びた手足の長さも魅力で将来が期待される守護神だ。苦手にしていたハイボールも高校に入ってから自信を深め、今大会は最後尾から大阪府を支えた。

DF森壮一朗(愛知県 名古屋グランパスU-18、1年)
憧れの選手として挙げるのは元スペイン代表のセルヒオ・ラモスで「闘志溢れるプレーが好き」。チームや世代別代表ではSBとして起用されるが、愛知県では中学時代の定位置だったCBとしてプレー。持ち味の粘り強い守備とともに思い切りの良い持ち上がりでも違いを示した。

DF大川佑梧(茨城県 鹿島アントラーズユース、1年)
生まれも育ちも鹿島と話すCBは、「5歳でスクールに入ってから、アントラーズのユニフォームを着てしかサッカーしたことがない」。アントラーズスピリットを感じる激しい守備と競り合いの強さが売り。攻守両面で見せたプレーはMVP級と言える。

DF佐々木将英(東京都 FC東京U-18、1年)
「身長もあって左利きのCBは希少だと思う」。本人も自覚している通り、183cmのレフティーというスペックだけでも魅力十分。更にはスピードも備えており、裏への対応も目を見張る。左SBにも対応可能で、将来性の高さを改めて感じた。

DF佐藤海宏(茨城県 鹿島アントラーズユース、2年)
主将として日本一を支えた左SBは、自陣からピンポイントで前線に配球する高精度の左足が持ち味。「どれだけ前に出て行けるかが、自分の武器」と話すように、タイミングを見計らかった攻撃参加に加え、課題だった守備でも堅実さ増している。

MF鈴木楓(東京都 FC東京U-18、1年)
U-18昇格後にCBから、ボランチに転向。気の利いた守備が光る黒子タイプで、相手が嫌がる位置を的確に察知し、セカンドボールの回収とボールハントでチームを支える。チーム唯一のフルタイム出場だったことからも、東京都における彼の存在の大きさが見て取れる。

MF山里謙心(広島県 サンフレッチェ広島ユース、1年)
沖縄出身のボランチは、左足キックと的確な状況が売り。「サッカーに打ち込める環境を考えたら、サンフレッチェかなと思った」と西の名門に加入してからは、前を向く意識も高まった。薩摩の地で掴んだ課題と収穫を生かし、今後はプレミアデビューを狙う。

MF福島和毅(鹿児島県 神村学園高、1年)
初戦敗退で終わったものの、披露したプレーはJのスカウトが感嘆の声をもらすほど。アンドレス・イニエスタに憧れるボランチで、相手を冷静に剥がしながらタイミングよくボールを叩いて攻撃の流れを作った。試合後に悔し涙を流す姿からは、開催県代表としてのプライドを感じた。

MF當野泰生(大阪府 ガンバ大阪ユース、1年)
プレーからサッカーを楽しんでいる様子がよく分かる。ガンバらしさを感じる遊び心のあるアタッカーで、柔らかいボールタッチと視野の広さを生かしたプレーで決定機を演出。今大会は坂元博晃監督が「チームのエース」と評する働きを見せた。

FW徳田誉(茨城県 鹿島アントラーズユース、2年)
自信を覗かせるのは、恵まれたフィジカルを生かしたポストプレーやヘディング。加えて、スペースへの抜け出しが、左右両足でシュートが打てる。マルチな才能を見せる今大会屈指のストライカーは今大会7得点を奪い、チームを日本一に導いた。

FW中積爲(大阪府 ガンバ大阪ユース)
ゴール前での優れた点取り屋。「小学校からシュートばかりやっていたので、上手くなった」と口にする左足シュートの精度が光る。「色んな所に顔が出せるし、守備が機能し始めている」と坂元博晃監督が称えた今大会は8得点と大暴れした。

(取材・文 森田将義)
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森田将義
Text by 森田将義

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