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ブラジルが初の五輪連覇!! スペインとの延長死闘で元バルサFWが劇的決勝弾

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FWマウコムが劇的な決勝ゴール

[8.7 東京五輪決勝 ブラジル 2-1(延長) スペイン 横浜国際]

 東京五輪のサッカー競技男子は7日、決勝戦を行い、U-24ブラジル代表がU-24スペイン代表を延長戦の末に2-1で破った。ブラジルは同国史上初のオリンピック連覇。スペインは1992年のバルセロナ五輪以来29年ぶりの金メダルに届かなかった。

 ともに優勝候補と目されていた両国による頂上決戦。ブラジルは準決勝のメキシコ戦(○0-0、PK4-1)と同じ11人を並べ、FWリシャルリソン(エバートン)、DFダニエウ・アウベス(サンパウロ)らが先発した。対するスペインは準決勝の日本戦(○1-0)から先発1人を変更。FWラファ・ミル(ウォルバーハンプトン)に代わってウイングのFWマルコ・アセンシオ(R・マドリー)が入り、FWミケル・オヤルサバル(ソシエダ)を1トップで起用した。

 試合は序盤からスペインが優勢。最終ラインからのビルドアップで前進し、前半17分には最初の決定機をつくった。右に開いたアセンシオのクロスがファーサイドに通ると、オヤルサバルが高い打点のヘディングで折り返し、ゴール前を打開。だが、FWダニ・オルモ(ライプツィヒ)に通るかと思われたボールはDFディエゴ・カルロス(セビージャ)のスーパークリアに阻まれた。

 その後はブラジルも徐々にスペインのビルドアップに慣れ、安定した守備から前に出られる場面が増える。そして前半25分、左サイドを攻め上がったDFギリェルメ・アラーナのスルーパスにリシャルリソンが抜け出し、惜しい左足シュート。また27分には、身体を入れ替えて抜け出そうとしたリシャルリソンがDFエリック・ガルシア(マンチェスター・C)のファウルを誘い、イエローカードを出させた。

 そして前半36分、スペインはまさかのミスから大ピンチを招く。ブラジルのFKに反応したGKウナイ・シモン(ビルバオ)がパンチングを試みたが、痛恨の空振り。流れたボールがMFミケル・メリノ(ソシエダ)の手に当たり、VARを介してオン・フィールド・レビューが行われた結果、ブラジルにPKが与えられた。しかし同38分、キッカーのリシャルリソンはこのPKを大きくふかしてしまい失敗。絶好のチャンスを逃した。

 ところが、ブラジルはここで止まらなかった。なおも攻め続けて前半アディショナルタイム2分、左サイドからのクロスをD・アウベスがファーでなんとか折り返すと、ゴール前に浮き上がったボールをスペイン守備陣がクリアミス。うまく身体を寄せながら拾ったFWマテウス・クーニャ(ヘルタ・ベルリン)が豪快に突き刺し、嫌な流れが漂う中で先制点を奪い切った。

 スペインは後半開始時、メリノとアセンシオに代わってMFカルロス・ソレール(バレンシア)とMFブライアン・ヒル(トッテナム)を投入。もっとも、それでもブラジルの勢いは止まらない。同7分にはMFクラウジーニョ(ブラガンチーノ)のフリックを起点に右サイドを打開し、折り返しのボールにリシャルリソンが反応。だが、うまく切り返して放ったシュートはU・シモンのスーパーセーブに阻まれ、スペインもなんとか最後まで耐え抜く。

 すると後半16分、スペインがワンチャンスから試合を動かした。右サイドでDFオスカル・ヒル(エスパニョール)がスルーパスを出し、入ったばかりのC・ソレールが深い位置まで突破すると、低い弾道のクロスボールをファーサイドに供給。これに反応したオヤルサバルが豪快なボレーでネットに突き刺した。完璧なシュートを決めたオヤルサバルはその場に立ち尽くす厳粛なセレブレーションで自身のゴールを祝った。

 1-1で迎えた終盤はスペインが優勢。しかしながらO・ヒル、ブライアン・ヒルのミドルシュートが次々にクロスバーに弾かれ、勝負を決めるゴールは入らない。結局そのまま同点で規定の90分間を終え、勝敗は15分ハーフの延長戦に委ねられることになった。ブラジルは準決勝に続いて2試合連続の延長戦。スペインは決勝トーナメント初戦から3試合連続の延長戦となった。

 延長戦の開始時、ブラジルはM・クーニャに代わってFWマウコム(ゼニト)を投入すると、スペインは再び2選手を交代起用。O・ヒルとMFマルク・ククレジャ(ヘタフェ)に代わってDFヘスス・バジェホ(R・マドリー)とDFフアン・ミランダ(ベティス)を入れた。その後はブラジルが再びアクセルを踏み込み、何度もスペイン守備陣を攻め立てる場面が続いた。

 スペインは延長前半13分、スーパーゴールを沈めたオヤルサバルに代わってR・ミルを投入。同15分にはブラジルがマウコムの単独突破カウンターで相手のファウルを誘った。フレッシュな選手が存在感を見せたブラジルはさらに延長後半開始時、クラウジーニョに代わってMFヘイニエル・カルバーリョ(ドルトムント)を起用。最後の攻勢に打って出た。

 すると延長後半4分、やはり試合を決めたのは交代選手の働きだった。ブラジルは右サイドに開いたFWアントニー・マテウス(アヤックス)からサイドチェンジが送り込まれると、左で受けたのはマウコム。猛スピードでバジェホを抜き去り、シュートはU・シモンに触れられながらもサイドネットに流し込んだ。マウコムは元バルセロナ。五輪決勝という大舞台で、かつて所属していた国の代表チームを相手に劇的なゴールを決めた。

 その後はボールを握ったスペインが攻め込み、ゴール前に攻め込むチャンスをつくったが、さらに投入した交代選手でカウンターから脅威を保ち続けたブラジルが1点のリードを守ったままタイムアップ。母国開催のリオ五輪に続く連覇を成し遂げた。五輪男子の連覇は04年のアテネ大会と08年の北京大会を制したアルゼンチン以来の快挙となった。

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