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ブラインドサッカー日本代表は世界選手権で過去最高5位! 24年パリパラリンピックは残り1枠に…日本の出場可能性は?

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主将・川村怜の決勝点で5位入賞

 ブラインドサッカー日本代表は25日、イギリスで行われている「IBSA ブラインドサッカー男子世界選手権 2023」の5位決定戦でイランに1-0の勝利。世界選手権で過去最高成績となる5位入賞を果たした。今大会でのパリパラリンピック出場は決めることはできなかったが、11月のパラパンアメリカン競技大会の結果次第では出場権を手にする可能性が残されている。

 2024年のパリパラリンピック出場を目指す日本は、世界選手権で「大陸別選手権でパリパラリンピック出場を決めていないチームの中から上位3か国に入る」という条件クリアを狙った。グループリーグ初戦はイタリアと1-1のドローとなるが、第2戦はタイに1-0で、第3戦はトルコに1-0で勝利。16歳平林太一の3試合連続ゴールで2勝1分とし、グループ2位で準々決勝進出を決めていた。

 準々決勝では、すでにパリパラリンピック出場を決めている中国と対戦も0-1で敗れた。この時点で自力でパラリンピック出場を決めることは不可能となった。まずは順位決定トーナメントでの上位入賞を目指し、初戦でパリパラリンピック開催国として出場権を手にしているフランスに2-0と勝利。またしても平林が先制点を奪い、背番号10・川村怜が追加点を挙げた。

 そして25日、最終戦となる5位決定戦ではイランと対戦した。川村が後半4分にゴールを決めると、虎の子の1点を守り切り、1-0で勝利。世界選手権では過去最高成績となる5位入賞を果たした。

 世界選手権の開催前に、すでにパリパラリンピック出場を決めていたチームは4チーム。開催国のフランス、ヨーロッパ選手権で開催国フランスが優勝したため繰り上げで欧州枠を手にした準優勝国・トルコ、アフリカ王者・モロッコ、アジア・オセアニア王者の中国だ。

 今回の世界選手権ではアルゼンチンが優勝、中国が準優勝、ブラジルが3位、コロンビアが4位となった。「大陸別選手権でパリパラリンピック出場を決めていないチームの中から上位3か国に入る」という出場条件を満たしたアルゼンチン、ブラジル、コロンビアがパリパラリンピック出場権を掴んだ。

 パリパラリンピック出場は8枠。今大会で7枠までが決定した。残りは今年11月に開催されるパラパンアメリカン競技大会で優勝した1か国が手にすることになる。しかし、もし世界選手権で出場権を手にしたアルゼンチン、ブラジル、コロンビアが優勝すると、その出場権は世界選手権5位の日本が繰り上がりで獲得することとなる。

 2021年東京大会では開催国枠でパラリンピック初出場、そして5位入賞という結果を残した日本。世界選手権では自力出場こそ決められなかったが、それでも過去最高5位入賞を果たした。成長の跡を確かめながら、2大会連続のパラリンピック出場を待つことになった。

 日本ブラインドサッカー協会を通じ、中川英治監督は世界選手権を総括する。「今大会5位という結果で、日本の世界ランキングが4位なので、世界ランク通りの結果となりました。大会全体としては、出場16チームの力の差はほとんどなく、その中でブラジル・アルゼンチン・中国は一歩リードしている状況。この一歩リードしている3チームにどれだけ近付いていくかが、今後の大きな課題だと思っています」とまとめた。

 ライバル・中国に0-1という結果には「大きな力の差は感じなかった」と手応えを語る。「ブラジル・アルゼンチン相手にも、先々月の大会で良いパフォーマンスができたので、本当にあと一歩のところまで来ているなという印象があります」と成長を強調した。

 川村主将は世界選手権での初ゴールを含む2得点をマークした。同大会では過去最高の5位入賞。「結果的に5位という成績で終えられたことは非常に満足しています」と振り返る。「パリ大会の出場権についてはまだ確定ではないので、実感が湧かないですが、目標にしてきたところは達成できましたし、今大会では世界選手権過去最高順位ということで、どんどん歴史を作り、チームや自分が進化していくことをすごく楽しく感じています」とさらなる躍進を誓った。


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ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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