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[総体]強風対策が的中、“新潟のタレント軍団”新潟明訓が4強進出

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[6.4 全国高校総体新潟県予選準々決勝 新潟明訓高 2-0 新潟産大付高 長岡ニュータウン運動公園B]

 平成27年度全国高校総体「2015 君が創る 近畿総体」サッカー競技(兵庫)新潟県予選は4日に準々決勝4試合を行い、長岡ニュータウン運動公園Bの第1試合では、新潟明訓高が2-0で新潟産大付高を下した。

 新潟県予選は、近年の全国大会経験チームである開志学園JSC高、新潟明訓、新潟西高、帝京長岡高が同ブロックに入って混戦を極めている。勝った新潟明訓の田中健二監督は「こんなに偏ることはない。序盤で(強豪に)当たってしまうと、重要な試合に累積警告や負傷が響いてくる可能性がある。その点で問題なく勝ち上がれたことが一番良かった。2点目がなかなか取れないところが少し苦しかったが、風が想定外に強過ぎたので、内容面では割り切るしかなかった」と大会および試合の状況を考慮した上で及第点を与え、次戦を見据えた。

 横から吹き付ける強風の中、風下に人数を集めた攻撃が奏功した。新潟明訓は前半、風下の右サイドから攻撃を展開。2トップが流れ、右MF榎並洸、右DF白井克秀との連係でゴールに迫った。前半10分、右サイドから押し込むと、逆サイドから寄せて来た左MF関口正大がマイナスのパスを受けて、ミドルシュート。「天候に合わせたサッカーができた。相手GKはこぼすことが多いというのが頭にあった。チームとしてなかなか点を取れていなかったので、そういうところを狙おうと思っていた」というFW木村風輝が、こぼれ球をすかさず押し込んで先制した。

 その後も白井のクロスからFW高橋怜大がシュートを放つなど試合を優位に進めた。対する新潟産大付は、5バック気味のシステムで追加点を許すことなく抵抗。中盤の井口将寛らを経由してFW佐々木渥にボールをつなごうと試みたが、なかなかゴールに迫れなかった。

 後半に入ると、新潟明訓は風下の左サイドから攻撃に出た。左で密集地帯を作ると、ボランチの中村亮太朗や、U-16日本代表の経歴を持つMF加藤潤が絡んでラストパスを狙った。中村は「相手が引いて守って大きく蹴って来ることは予想していた。冷静に跳ね返して攻撃につなげられたと思う。自分が持ったときに相手のラインが下げ切れていなかったので、サイドハーフのスピードを生かす(浮き球の縦)パスを狙った」と狙いを明かした。

 後半32分、加藤のクロスから榎並がヘディングシュートを放ったが枠を捉えず、後半33分にも加藤のマイナスのクロスを榎並がシュートしたが、GKに防がれた。新潟明訓は、攻めても追加点が奪えない展開に陥ったが、終了間際に好機を生かした。ペナルティーアーク付近で得た直接FKのチャンス。相手GKが壁を作ろうとポストに寄って指示を出していると、加藤がクイックリスタート。ボールは、準備の整っていない壁を越えて、無人のゴールへ飛び込んだ。加藤は「FKの場面は、審判が笛を吹いたと相手が勘違いしたのだと思う。スコンと蹴るだけだった」と勝利を決定付けた追加点を振り返った。

 新潟明訓は、11年度の総体で全国8強を経験。以降も県内では、どのチームにも「評価の高い選手が一番集まっているのは、明訓」と言われるなど強豪校としての地位を築いている。もう一度、全国大会で上位争いに加わり、力を証明したいところだ。今大会は3回戦で前年度王者の開志学園JSCを4-0で撃破するなど勢いに乗っている。加藤は「厳しい組み合わせは、気を緩めることなく戦えるので良い。(前回王者の)開志に勝って勢いが出て、今日も勝てた。個人の進路を考えても、チームのことを考えても、全国大会に出てベスト8以上に勝ち進んで明訓をアピールしたい」と意欲を見せた。県予選ベスト4進出に満足の様子は見られない。新潟のタレント軍団はどこまで勝ち進むのか、注目だ。

[写真]先制点を決めて喜ぶ、新潟明訓のFW木村風輝

(取材・文 平野貴也)
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