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今年の強み、サイド攻撃で苦戦。青森山田MF川原良介は1アシストも「これから修正していきたい」

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青森山田高の左SH川原良介(3年=クマガヤSC出身)は1アシストも、課題の修正を誓っていた

[6.5 インターハイ青森県予選決勝 青森山田高 2-0 八戸学院光星高 プラスタ]
 
 今年の青森山田高は攻撃力の高さも特長だ。首位に立っているプレミアリーグEASTでの得点数(7試合)は20で、早くも昨シーズンの総得点数29(22試合)に迫る勢いだ。得点ランキング2位につけるFW米谷壮史(3年)が8得点と量産しているほか、強みとなっているのが左SH川原良介(3年=クマガヤSC出身)と右SH杉本英誉(3年)の両サイドアタッカーの存在だ。

 川原はリーグ3得点で杉本も2得点。アシストも含めるとチームの半数近くの得点に絡んでいる。いずれも突破力と得点力を備え、クロスを上げ切る、またクロスに蓋をする形でゴールに係る2人。正木昌宣監督も「プレミアだとここで優位に立てている」というストロングポイントは、この日のインターハイ県予選決勝でも川原が試合終了間際に絶妙な右クロスで米谷の得点をアシストしている。

 ただし、指揮官は「今日、両サイドハーフは20点くらい」と厳しい評価。「光星に良さを消されてた印象があって、サイドに入った時、2枚、3枚来ていた。相手もあそこが肝だということも分かっていたと思うので、じゃあ3枚来た時に受ける場所や持った後の変化だったりもっとやれることはあるので、そこは課題かなと」と指摘していた。

 立ち上がりからクロスの本数が少なく、前半半ば頃には左右のポジションを入れ替えてプレー。「どっちもできる」(川原)という強みを発揮する形で、そこからは川原が突破を見せるなど、サイド攻撃も少しずつ好転していた印象だ。だが、この日はチーム全体が足元、足元でキレイにサッカーをしてしまい、両翼も決定的な仕事をするまでには至らず。ポジションを戻した後もなかなか違いを生み出すことができなかった。

 川原は「突破したあとが自分の課題なので、そこでどれだけ点にできるかが自分の課題だと思うので、これから修正していきたいです」とコメント。後半35分のアシストについては前向きに捉えていたが、満足はしていなかった。

 近年で言えば、3冠時のMF藤森颯太(現明治大)とMF田澤夢積(現新潟医療福祉大)の日本高校選抜コンビやMF檀崎竜孔(現マザーウェル)やMFバスケス・バイロン(現東京V)など突破力、得点力の高いSH、献身的にプレスバックもできるSHがいる時の青森山田は特に強い。

 川原は「ヒデ(杉本)も自分もカットインが特長で、左利き(杉本)と右利き(川原)でそこも自分たちの特長なので、左サイドの右足と、右サイドの左足は縦突破もカットインも脅威になると思います」。この日は悔しい内容。昨年のインターハイ初戦敗退の悔しさも知る川原は「まず守備から入ってゼロで抑えつつ、自分たちの攻撃の色を出せたらなと思います」。インターハイでは、両翼が相手の警戒を超えるプレーをしてゴールをもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
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