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「一番後ろから引っ張っていきたい」。関西大一の最終ラインの要・182cmCB中谷優冴が好守連発

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関西大一高の最終ラインで好守を連発したCB中谷優冴(3年=アイリスFC住吉出身)

[6.10 インターハイ大阪府予選準決勝 近大附高 1-3 関西大一高 J-GREEN堺S1]

 試合終盤、近大附高の攻撃を幾度も個の力で止めていた。幅広いカバーリングと高さ、際の強さを発揮。セットプレーの際にはチーム内から「優冴がこんなにやってくれているぞ!」という声も聞こえていたほどだ。

「相手がタフな、ロングボールとかを使うのは知っていましたし、それに負けずに跳ね返して自分たちの攻撃をしようと思っていました」という関西大一高CB中谷優冴(3年=アイリスFC住吉出身)は、最終ラインの砦として好守連発。相手のパワフルな攻撃に対して引かず、ボールを奪いに行くことを意識してゴールを守り続けた。

 2点差を維持して勝利すると、チームメートと抱擁して全国切符獲得を喜んでいた。緒方卓也監督は、そのDFについて「(これまではふわっとしている面もあったが、)今大会はだいぶ乗っていると思います」と評価。182cmの長身DFはチームの中心人物の一人として、「(入学当初は)ぶっちゃけ(イメージ)できていなかったです」というインターハイ出場権を勝ち取った。

 中谷は中学途中までアンカーのポジションが主戦場。その後、CBへコンバートされ、関大一でもCBでプレーし続けている。中盤を務めていた頃から「味方のミスのケアとか意識していました」という中谷は、予測力を活かしてカバーリング。また高さを発揮するなど、前に強いCB鴨川光輝(3年)と良さを出し合いながら最終ラインを支えている。

 今年の関大一はムードメーカー役でもあるMF西田詩(3年)やMF町上桜太(3年)、MF梅原快(2年)、そして鴨川、中谷とボランチ出身の選手が多い。全体的に技術力が高く、ビルドアップも特長の一つ。中谷は攻撃面でもチームに貢献している。

 アイリスFC住吉の先輩でもあるDF中島康裕(現関西大)の存在や、文武両道を目指して関大一へ進学。「自分はキャプテンでも、副キャプテンでもないので、一番後ろから引っ張っていきたい。この大会(インターハイ)で活躍して、色々な大学やプロに見てもらって良いところでサッカーを続けられたら」という最終ラインの要が、チームにとって4年ぶりとなる全国大会でも攻守で役割を果たす。

(取材・文 吉田太郎)
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