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[MOM4334]市立船橋FW郡司璃来(3年)_「自分が出るからには…」。帰ってきたエースが違い示し、2発

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市立船橋高の注目エースFW郡司璃来(3年=JSC CHIBA出身)は2得点の活躍

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.15 インターハイ千葉県予選準決勝 八千代高 1-5 市立船橋高 岩名運動公園]

 市立船橋高の注目エースFW郡司璃来(3年=JSC CHIBA出身)が、2得点。チームをインターハイ予選決勝へ導いた。

 前半からスペースへの抜け出しやスルーパスでゴール前のシーンに絡み、ヘディングシュートも放った。だが、濡れたピッチに慣れず、相手の挑発気味な態度にやや苛立っているような印象も受けた。

 本人は「自分がイライラすると、プレーができなくなるので」と冷静だったことを主張していたが、波多秀吾監督からもメンタル面を指摘された前半。それでも、エースは一際余裕のあるボールコントロールや抜群のスピード、強さ、跳躍力、そして決定力で違いを生み出した。

 1-1の後半13分、MF太田隼剛(3年)の縦パスで抜け出して勝ち越しゴール。「最初ボール弱いと思っちゃって、身体作って胸トラしようと思ったんですけれども、(やっぱり背後へ)行けるなと思って流して、そのまま行った感じなので決められて良かったです。同点の状態で進んで行く中で自分が決めてちょっと楽にできた」。飛び出してきたGKの動きを冷静に把握。ゴール左へシュートを流し込んだ。

 精度、速さが求められる敵陣PAでも明らかに余裕を持ってプレーしている。「結構余裕という感じがありますね、。取られる感じがしないので」。DFは不用意に飛び込むと、簡単に逆を取られる怖さがある。その中で郡司は自分の間合いでドリブル、ラストパス。左サイドからの仕掛けで3点目を演出すると、後半40分には左足でこの日2点目のゴールを挙げた。

 これで3試合連続ゴールの活躍。技術力だけでなく、身体能力の高さもスカウト陣を驚かせている。だが、5月のプレミアリーグで負傷した郡司は当初、インターハイ予選の欠場が有力視とされていた。「最初、(肉離れで)6週間って聞いて間に合わないと思ったので、自分のメンタル的にも落ちてしまっていた」と振り返る。

 だが、幸いにも怪我は重度のものではなく、懸命なリハビリもあり、エースは3週間でピッチに戻ってきた。「どうしても間に合わせてやるという気持ちでリハビリも取り組んでいたので、早い段階で復帰できたので良かった」。郡司欠場中にチームはプレミアリーグEAST第7節で前橋育英高から今季初白星を挙げると、続く昌平高戦も連勝。「自分がいなくても勝っていたので、スーパーサブで入ろうかなと思う自分もいましたね。ベンチから始まって後半出て決めるでも良いかなと」。それでも復帰したエースは準々決勝、準決勝と先発出場。郡司は、その信頼に応えるつもりでプレーしてきた。

「自分が出るからには、しっかり点を決めてチームを勝たせなければいけないという思いはずっとある」。これで3試合連続ゴール。宿敵・流通経済大柏高との決勝でもチームを勝たせることだけを考えている。

「流経は千葉県1位、2位を争う高校だと思うので、こういうところで絶対に負けられない相手だと思っています。プレミアで、同点で終わっているし、流経は絶対に負けられない相手なので。決勝もしっかり決めて、チームを勝たせたいなと思います」

 インターハイ予選に出場できると分かった際、「嬉しかった」と明かした郡司。また、波多監督は「彼がいない間にプレミアも勝っていたので、チーム全体も勢いづいて、自信もついて、彼も戻ってきた。チームもさらに勢いづけたんじゃないか」と語っていた。郡司頼みな部分のあったチームも変化。エースはその勢いの中で再び活躍し、流経大柏からの勝利と千葉制覇を喜ぶ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

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