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[MOM4384]日大藤沢MF岡田生都(3年)_FW起用でも持ち味発揮!! 1G1Aで8強進出の立役者に

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1ゴール1アシストの活躍を披露した日大藤沢高MF岡田生都

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.31 インハイ3回戦 米子北 1-3 日大藤沢 東光スポーツ公園球技場A]

「今日の試合から選ぶのはちょっと難しいよね!」

 日大藤沢高(神奈川2)・佐藤輝勝監督はインターハイ3回戦・米子北戦のマン・オブ・ザ・マッチを問われると、うれしい悲鳴をあげた。

 得点やアシストをした選手はもちろんだが、中盤で試合を締めたMF佐藤春斗主将、米子北相手のタフな攻防を想定して中盤中央の要所を託されて奮闘したMF荻原大地、1失点を喫したとはいえ、相手の強力な攻撃に粘りの守備を見せたディフェンス陣も捨てがたい。

 ただ、その中で佐藤監督は「やっぱり岡田だと思う」と3点目を決めて試合も決めた、3年生のMF岡田生都を指名した。

「やっぱり最後の得点はそうだし、彼はこの大会からFWなんですよ。中盤もできるし、いろいろな可能性を持った選手だと思っている。去年から全国も経験しているし、(中盤で)やれることはわかっているんだけれど、もっと彼の可能性を広げたいと思っていたし、全国だからこそやるべきだと思ってFWでも使うようになっているんです」

 これまでの主戦場は中盤。そこで「やれる」のはわかっているからこそ、もっと違う可能性を掘り当てることを目指す選手起用だった。「本人は言ってこないですけど、『なんで俺がFWなんですか?』と思ってはいるだろう」ことは指揮官も重々わかっている。ただ、その上での決断だった。

 本人の成長を期待しての起用という一面もある一方で、「僕は勝つために決めている」と佐藤監督が言うように、この新しいチョイスはあくまで勝つための手段だ。いわゆるセンターフォワードとしてプレーできる選手は、この日の前線にまず入ったFW山上大智(3年)のように他にいる。岡田に期待しているのは別の仕事だ。

 案の定、本人も「なぜ俺がFWに……?」と思わないわけではなかったと言うが、「自分が前線に入るならゼロトップみたいな形になる」と指揮官の意図を汲み取り、相手を背負うプレーというより、相手ボランチの裏や脇のスペースでボールを引き出す、あるいは裏へ抜け出して相手DFを引っ張るようなプレーを状況に応じて使い分けることでチームに貢献することを意識した。

 この日は1得点1アシストを記録してからも、「自分はスピードでいくタイプじゃないので」という言葉どおり、周りを使って自分も使われるスタイルをしっかりと披露。タフに当たってくる米子北の守備陣をいなしつつ、新しく拡がったプレーの幅を見せることとなった。

 最近動画をよく観るのは「前線気味で使われるときのデ・ブライネ」。自分のスタイルを極めた先にいるワールドクラスのスター選手のプレーでイメージを膨らませつつ、「本当に最高の仲間たち」と全国の頂点を目指す。

(取材・文 川端暁彦)

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