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準々決勝進出チームで唯一の2年連続、また最高タイの8強も「まだ足りない」。矢板中央は一人ひとりが成長を遂げて冬へ

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矢板中央高は過去最高成績の4強にあと一歩届かず、悔しい敗退

[8.2 インハイ準々決勝 矢板中央高 0-0(PK2-3)国見高 カムイの杜公園多目的運動広場B]

「結果としてはベスト8という結果ですけれども、自分たちが目指していたところに全然届かなかったので、成長したというよりかは、『まだ足りない』という実感の方が大きいです」

 矢板中央高(栃木)は準々決勝進出チームで唯一、2年連続のインターハイベスト8。今季はプリンスリーグ関東1部で開幕9試合未勝利と苦しんでいる中、インターハイで同校最高タイの成績も残した。春からの成長も示したが、MF井上拓実主将(3年)は「まだ足りない」と指摘。初のベスト4、日本一に届かなかったことを悔しがった。

 優勢に試合を進め、セットプレーや縦に速い攻撃からゴール前のシーンを作り出した。CB梶谷皇光斗(3年)とCB清水陽(2年)は鉄壁の守り。また、「(以前は)弱気になる場面が多かったんですけれども、試合を積んでいく中でこのプレーだったらこうだなと自分が落ち着いてできるようになった」というGK大渕咲人(3年)は無失点に加え、PK戦で1本を止める活躍を見せた。

 だが、チームは決定的なシーンで決め切れず、PK戦で3人が外して敗戦。井上は「ここを勝てば矢板中央初のベスト4ということでチーム全員が気合入ってモチベーション高くできていたんですけれども、ゲーム内容としても決め切るチャンスが多い中で決め切れなかったことと、自分たちの勝負弱さが出た」と首を振っていた。

 選手権での飛躍へ向けて再スタート。高橋健二監督は「(PK戦で3人が失敗するなど課題は)まだまだ精神的に甘いところかな。もう一回、選手権へ向けて練習したい。まずは厳しい県予選をしっかり勝ち抜いて挑戦したいと思います。(8強を超えるためには)個々の能力をしっかり上げていくこと、プレーの精度を上げていくことだと思いますね」と語った。

 井上も「チーム自体で組織的にやっていくことももちろんですけれども、一個人が成長しないと次に強い相手と対戦した時に、精神的にも、技術的にも負けてしまうことがあると思うので、一番は個人の成長を期待したいです」とコメント。自分たちの課題に向き合い、一人ひとりが個の力を伸ばして冬に必ず、笑う。

(取材・文 吉田太郎)
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